BCクラシック2026は現地10月31日(日本時間11月1日午前7時16分発走予定)、米ケンタッキー州のキーンランド競馬場で行われます。日本からは連覇を狙うフォーエバーヤング(5番・坂井瑠星騎手)とテーオーパスワード(1番・木村和士騎手)が出走。マグニチュードの取り消しで7頭立てとなった今年は、米国の強豪がそろい、少頭数でも見応えのある一戦になりそうです。
【結果】BCクラシック2026結果 ソヴリンティV、テーオーパスワード4着・フォーエバーヤング5着
調整過程やJRAの馬券発売の詳しい流れはBCクラシック2026ガイドにまとめています。この記事では出走馬全頭の紹介と展開の見通し、レースの歴史を中心に解説します。
BCクラシック2026の概要
BCクラシックはダート2000mの米国最高峰G1
ブリーダーズカップ(BC)は米国の競馬シーズンを締めくくる祭典で、BCクラシックはその最終レースです。3歳以上の馬が出走できるG1(最高格のレース)で、距離はダート2000m(10ハロン)。今年が第43回で、総賞金は700万ドル、1着賞金は364万ドルと報じられています。
舞台のキーンランド競馬場は、1周約1700mのダートコースを持つ左回りのコースです。2000mのBCクラシックでは、このコースを1周あまり回ることになります。BCの開催地は毎年持ち回りで、キーンランドでの開催は4年ぶり4回目です。
歴史と過去の勝ち馬
1984年創設、連覇はティズナウだけ
BCクラシックは1984年に創設されました。第1回は伏兵ワイルドアゲイン(Wild Again)が制し、2009年にはゼニヤッタ(Zenyatta)が牝馬として唯一の優勝を果たしています。
連覇を達成したのは2000年・2001年のティズナウ(Tiznow)だけです。過去に14頭が連覇に挑みましたが、前年覇者の成績は【1-2-3-8】と苦戦が続いています。
BCクラシック 過去の勝ち馬(2015〜2025年)
| 年 | 勝ち馬 | 騎手 | 開催地 |
| 2025年 | フォーエバーヤング | 坂井瑠星 | デルマー |
| 2024年 | シエラレオーネ(Sierra Leone) | F.プラ | デルマー |
| 2023年 | ホワイトアバリオ(White Abarrio) | I.オルティスJr. | サンタアニタ |
| 2022年 | フライトライン(Flightline) | F.プラ | キーンランド |
| 2021年 | ニックスゴー(Knicks Go) | J.ロザリオ | デルマー |
| 2020年 | オーセンティック(Authentic) | J.ヴェラスケス | キーンランド |
| 2019年 | ヴィーノロッソ(Vino Rosso) | I.オルティスJr. | サンタアニタ |
| 2018年 | アクセラレート(Accelerate) | J.ロザリオ | チャーチルダウンズ |
| 2017年 | ガンランナー(Gun Runner) | F.ジェルー | デルマー |
| 2016年 | アロゲート(Arrogate) | M.スミス | サンタアニタ |
| 2015年 | アメリカンファラオ(American Pharoah) | V.エスピノーザ | キーンランド |
キーンランドで行われた過去3回は、2015年の米3冠馬アメリカンファラオ、2020年のオーセンティック、2022年にBCクラシック史上最大の8馬身1/4差で圧勝したフライトラインと、いずれも歴史に残る名馬が勝っています。
日本馬の挑戦の歴史
日本馬にとってBCクラシックは長く高い壁でした。2004年にはパーソナルラッシュがF.デットーリ騎手を背に挑みましたが、逃げ切ったゴーストザッパーに歯が立たず6着でした。流れを変えたのがフォーエバーヤングで、2024年に3着、2025年には早めに先頭に立って押し切り、日本調教馬として初めて優勝しました。日本馬の最高着順はこの1着です。
出走馬と有力馬
BCクラシック2026 全出走馬と想定オッズ
| 馬番 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 調教師 | 想定オッズ |
| 1 | テーオーパスワード | 牡5 | 木村和士 | 高柳大輔(日本) | 31倍 |
| 2 | ソヴリンティ(Sovereignty) | 牡4 | J.アルバラード | W.モット | 3.5倍 |
| 3 | ゴールデンテンポ(Golden Tempo) | 牡3 | J.オルティス | C.ドゥヴォー | 6倍 |
| 4 | ザプーマ(The Puma) | 牡3 | J.カステリャーノ | デルガド | 11倍 |
| 5 | フォーエバーヤング | 牡5 | 坂井瑠星 | 矢作芳人(日本) | 3倍 |
| 6 | マグニチュード(Magnitude) | 牡4 | (出走取消) | S.アスムッセン | – |
| 7 | ナイツブリッジ(Knightsbridge) | 牡5 | L.サエス | W.モット | 5.5倍 |
| 8 | ナポレオンソロ(Napoleon Solo) | 牡3 | J.ヴェラスケス | C.サマーズ | 16倍 |
想定オッズは枠順確定後に主催者が発表したモーニングラインです。馬番とゲート番は同じで、6番のマグニチュードは出走を取り消し、その後引退が発表されました。
ソヴリンティは昨年の米年度代表馬
想定オッズ2番手のソヴリンティは、2025年にケンタッキーダービー、ベルモントS、トラヴァーズSを勝って米年度代表馬に選ばれました。今年は初戦のオークローンHで2着、スティーブンフォスターSで3着と勝ち切れませんでしたが、8月のホイットニーSで後方から突き抜け、4馬身3/4差で圧勝しました。前哨戦のジョッキークラブGCは左後肢の膿瘍で回避しています。モット調教師は追い切りを「これ以上ないほど素晴らしかった」と評価しています。
ナイツブリッジはパシフィッククラシックを圧勝
ソヴリンティと同じモット厩舎のナイツブリッジ(父ナイキスト)は、今年メトロポリタンHで2着の後、モンマスCを10馬身1/4差、8月のパシフィッククラシックを6馬身1/4差で勝ち、G1初制覇を飾りました。前めで運んで突き放す内容でした。
3歳の2冠馬ゴールデンテンポと新星ナポレオンソロ
ゴールデンテンポ(父カーリン)は、5月のケンタッキーダービーを11番人気で最後方から差し切りました。6月のベルモントSも後方一気で勝って2冠を達成しましたが、8月のトラヴァーズSは1番人気で3着でした。
そのトラヴァーズSで逃げ粘って半馬身差の2着だったのが、プリークネスS勝ち馬のナポレオンソロ(父リアムズマップ)です。陣営は「もう一度10Fの走りを見てみたい」と2000mでの再挑戦に意欲を見せています。4番のザプーマはブリンカー(視界を制限する馬具)を着けて集中力が増したと陣営が話しています。
日本馬の顔ぶれ
フォーエバーヤングは史上2頭目の連覇に挑戦
フォーエバーヤング(牡5歳、栗東・矢作芳人厩舎、父リアルスティール)は、ここまで16戦12勝。今年はサウジCを連覇した後、ドバイワールドCではマグニチュードに先着を許しましたが、9月のジョッキークラブGCを快勝して日本調教馬初の海外G1・4勝目を挙げました。デビューからコンビを組む坂井瑠星騎手が引き続き騎乗します。
昨年と同じ5番からのスタートで、想定オッズは1番人気の3倍です。矢作調教師は最終追い切りについて「これ以上やることはない」と話し、キーンランドに移ってからレースモードに切り替わったと手応えを伝えています。
テーオーパスワードは木村和士騎手と再コンビ
テーオーパスワード(牡5歳、栗東・高柳大輔厩舎、父コパノリッキー)は、2024年のケンタッキーダービーで木村和士騎手とのコンビで5着に入りました。今年は5月のアハルテケS(オープン)を4馬身差で圧勝し、8月のエルムS(G3)で3着でした。今回はカナダを拠点とする木村騎手と再び組みます。
高柳大調教師は距離適性ではダートマイルも考えたものの、「揉まれたくない気持ちもあったので、クラシックに決めました」と説明しています。木村騎手は「今回も一発狙っていきたい」と話していたそうです。
展開の見通し
逃げ馬マグニチュード不在で先手争いは落ち着きそう
6月のスティーブンフォスターSを逃げ切るなど先行力のあるマグニチュードが取り消したことで、はっきりした逃げ馬が見当たらなくなりました。先手を取る候補は、トラヴァーズSで逃げ粘ったナポレオンソロと、パシフィッククラシックを前々で運んだナイツブリッジと見られます。ただ、2頭とも7番、8番の外枠に入ったため、最初のコーナーまでに内へ切れ込めるかが序盤のポイントになりそうです。
フォーエバーヤングは昨年、早めに先頭に立って押し切っており、今年も好位からレースを進める形になりそうです。7頭立てで馬群がばらけやすく、5番から前を見ながら運べる位置は取りやすいと見られます。最内1番のテーオーパスワードは、アハルテケSのように好位で流れに乗れるかが鍵で、包まれずに運びたいところです。
一方、ソヴリンティとゴールデンテンポは後方から追い込むタイプです。前に行く馬が少ないぶんペースが緩めば前の組に有利になり、ナイツブリッジが引っ張って厳しい流れになれば、後ろの2頭の末脚が生きる展開になりそうです。
馬券発売と視聴
JRAは12Rとして発売、日本時間11月1日午前7時16分発走
JRAはBCクラシックを12Rとして馬券発売し、インターネット投票(即PAT・A-PAT)とUMACA投票で購入できます。発走は日本時間11月1日午前7時16分の予定です。同じ日に行われるほかの日本馬出走レースの枠順と発走時刻は、ブリーダーズC2026日本馬8頭の枠順と鞍上まとめで一覧にしています。
G1の前後は「グリーンチャンネル」がもっと楽しい
レース中継はJRAの無料ネット配信でも見られるようになりましたが、調教の様子や陣営の声を伝える展望番組、レース後の回顧、地方・海外競馬の中継まで楽しめるのが競馬専門チャンネル「グリーンチャンネル」です。テレビの大画面で週末の大一番をじっくり味わいたい方は、スカパー!で視聴方法を確認してみてください。
管理人のひとこと
7頭立てとはいえ、米国の年度代表馬に2冠馬、G1を圧勝してきた馬まで並ぶ顔ぶれに、BCクラシックの格の高さをあらためて感じます。そのなかで日本の2頭がゲートに入る姿を見られるのは本当に幸せなことですね。フォーエバーヤングの連覇の夢、そして木村騎手と再び米国に挑むテーオーパスワードの走りを、11月1日の早朝にテレビの前から精いっぱい応援したいと思います。
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