オークス(正式名称:優駿牝馬)は、3歳牝馬の頂点を決めるG1で、桜花賞・オークス・秋華賞の「牝馬三冠」の第2戦にあたります。舞台は東京競馬場の芝2400mで、2026年は5月24日に第87回が行われました。1938年の創設から続く歴史と名前の由来、東京芝2400mの特徴、過去10年の勝ち馬や記録まで、基本をまとめました。
オークス(優駿牝馬)とは
3歳牝馬が2400mに挑む「樫の女王」決定戦
オークスに出走できるのは3歳の牝馬だけです。負担重量は年齢で決まる「馬齢重量」で、全馬が55kgを背負います。外国馬も出走できる国際競走で、勝ち馬は「樫の女王」と呼ばれます。
牝馬三冠の第1戦・桜花賞は阪神の芝1600mで行われるため、オークスでは一気に800mも距離が延びます。スピードに加えて2400mを走り切るスタミナが求められ、桜花賞とは違った適性が問われるのがこのレースの面白さです。翌週には同じ東京芝2400mで日本ダービーが行われます。
桜花賞・フローラS・スイートピーSからの流れ
オークスへの道では、指定されたレースで好走した馬に優先出走権(出走希望が多くても優先して出走できる権利)が与えられます。桜花賞の5着以内、オークストライアルのフローラステークス(G2)の2着以内、同じくトライアルのスイートピーステークス(リステッド競走)の1着馬が対象です。フローラSは1966年にオークスのトライアルとして創設され、1987年から本番を意識した2000mで行われています。
| 正式名称 | 優駿牝馬(オークス) |
| 創設 | 1938年(阪神優駿牝馬) |
| 条件 | 3歳牝馬・馬齢重量(55kg)・国際競走 |
| コース | 東京競馬場・芝2400m(左回り) |
| 2026年 | 5月24日(日)・第87回、1着本賞金1億5000万円 |
歴史とオークスという名前
1938年に「阪神優駿牝馬」として秋に誕生
オークスは、イギリスの「オークス」を手本に、1938年に「阪神優駿牝馬」という名前で創設されました。第1回の勝ち馬はアステリモアです。当時は、日本の3歳牝馬は競馬先進国の馬と比べて成長が半年ほど遅いと考えられていたため、秋に行われていました。
1944年と1945年は開催されず、1946年に開催場所が東京競馬場に移ったのをきっかけに、現在の「優駿牝馬」に名前が変わりました。そして1953年からは、海外と同じように春に行われるようになり、現在まで続いています。
「オーク=樫」とダービー卿の逸話
「オーク(Oak)」は英語で樫の木のことです。イギリスのダービーを創設した第12代ダービー卿エドワード・スミス・スタンレーは、樫の森が茂る「オークス」という土地を持っていました。1779年にエリザベス・ハミルトンと結婚した際、その記念に競馬を開くことを思い立ち、夫人の希望を取り入れて3歳牝馬のレースを行い、それを「オークス」と名付けたと伝えられています。勝ち馬が「樫の女王」と呼ばれるのはこのためです。
東京芝2400mの特徴
日本ダービー、ジャパンカップと同じ舞台
東京競馬場の芝コースは左回りで、1周2083.1m、最後の直線は525.9mです。芝2400mはスタンド前の直線から発走し、コースを1周以上回ってゴールを目指します。1コーナーから向正面の半ばにかけては高低差1.9mの長い下り坂、3コーナーの手前には高低差1.5mの上り坂があり、直線では残り460m付近から300m付近にかけて高低差約2mの坂を上ります。
| スタート地点 | スタンド前の直線 |
| 道中の起伏 | 1コーナー〜向正面半ばに下り、3コーナー手前に上り |
| 最後の直線 | 525.9m |
| 直線の坂 | 残り460m〜300m付近、高低差約2m |
坂を上りきったあともゴールまで約300mあり、最後まで脚を使い続ける力が必要です。カーブがゆったりしていて紛れが少なく、能力が素直に結果に出やすいコースといわれます。同じ舞台で行われる牡馬のクラシックについては、日本ダービー(東京優駿)とは?ホースマンの夢の舞台、歴史と東京芝2400mの特徴を解説で詳しく紹介しています。
過去10年の勝ち馬と記録
オークス過去10年の勝ち馬
| 年 | 勝ち馬 | 騎手 | タイム |
| 2026年 | ジュウリョクピエロ | 今村聖奈 | 2分25秒6 |
| 2025年 | カムニャック | A.シュタルケ | 2分25秒7 |
| 2024年 | チェルヴィニア | C.ルメール | 2分24秒0 |
| 2023年 | リバティアイランド | 川田将雅 | 2分23秒1 |
| 2022年 | スターズオンアース | C.ルメール | 2分23秒9 |
| 2021年 | ユーバーレーベン | M.デムーロ | 2分24秒5 |
| 2020年 | デアリングタクト | 松山弘平 | 2分24秒4 |
| 2019年 | ラヴズオンリーユー | M.デムーロ | 2分22秒8 |
| 2018年 | アーモンドアイ | C.ルメール | 2分23秒8 |
| 2017年 | ソウルスターリング | C.ルメール | 2分24秒1 |
この10年では、C.ルメール騎手が4勝、M.デムーロ騎手が2勝を挙げています。
牝馬三冠馬、二冠馬、レースレコード
秋華賞が創設された1996年以降、桜花賞・オークス・秋華賞の三冠をすべて制した牝馬は、2003年のスティルインラブ、2010年のアパパネ、2012年のジェンティルドンナ、2018年のアーモンドアイ、2020年のデアリングタクト、2023年のリバティアイランドの6頭です。過去10年に限っても、桜花賞とオークスの二冠を達成した馬が4頭(アーモンドアイ、デアリングタクト、スターズオンアース、リバティアイランド)います。2023年のリバティアイランドは、2着に6馬身差をつける圧勝でした。三冠の歴史や歴代の三冠牝馬は牝馬三冠とは?桜花賞・オークス・秋華賞の三冠目の変遷と歴代7頭の三冠牝馬を解説で詳しく紹介しています。
レースレコードは、2019年にラヴズオンリーユーが記録した2分22秒8です。距離が延びても崩れないスピードと持久力を持った馬が、このレースで名を上げてきました。
2026年のオークス
今村聖奈騎手とジュウリョクピエロが戴冠
2026年の第87回は5月24日に行われ、ジュウリョクピエロが2分25秒6で優勝しました。後方で脚をためて直線で馬群の間を突き、2着ドリームコアをクビ差だけ捉えるゴールでした。ダートでデビューしたあと芝に転向して3連勝、一気に樫の女王まで駆け上がった形です。鞍上の今村聖奈騎手は、JRA所属の女性騎手として初めてクラシックを制しました。
この年は、母子でのオークス制覇がかかったアランカールも注目を集めましたが、8着に終わりました。また、2025年のオークス馬カムニャックは、翌年のヴィクトリアマイルで2着に入りました。古馬牝馬のマイルG1についてはヴィクトリアマイルとは?古馬牝馬のマイル女王決定戦、歴史と東京芝1600mの特徴を解説をご覧ください。
押さえておきたいポイント
- 正式名称は優駿牝馬、3歳牝馬が東京芝2400mで争う牝馬三冠の第2戦
- 1938年に阪神優駿牝馬として創設、1946年に東京へ移り現在の名前に
- 優先出走権は桜花賞5着以内、フローラS2着以内、スイートピーS1着
- レースレコードは2019年ラヴズオンリーユーの2分22秒8
ほかのG1・三冠・サマーシリーズの解説は、JRAのG1・シリーズ解説まとめから一覧で読めます。
管理人のひとこと
桜花賞から一気に800mも距離が延びる舞台で、3歳の牝馬たちが限界まで力を振り絞る姿には毎年心を動かされます。樫の森にちなんだ名前の由来を知ると、「樫の女王」という呼び名にもいっそう重みを感じます。2026年の今村聖奈騎手とジュウリョクピエロの勝利は、新しい歴史が生まれる瞬間でした。次の世代の女王がどんな走りを見せてくれるのか、今から楽しみです。
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