宝塚記念は、阪神競馬場の芝2200mで行われる3歳以上のG1で、上半期のG1戦線を締めくくる一戦です。年末の有馬記念と同じように、出走馬の多くがファン投票で選ばれることから「春のグランプリ」とも呼ばれます。1960年の創設から続く歴史とファン投票のしくみ、阪神芝2200mの特徴、過去10年の勝ち馬と記録まで、基本をまとめました。
宝塚記念とは
ファン投票で選ばれる「春のグランプリ」
宝塚記念に出走できるのは3歳以上の馬で、負担重量は年齢と性別で決まる「定量」です。古馬の牡馬は58kg、牝馬は56kgで走ります。外国馬も出走できる国際競走で、春の中長距離G1を戦ってきた有力馬が集まる上半期の総決算です。
最大の特徴はファン投票です。第2回特別登録を行った中央競馬の馬のうち、ファン投票の上位10頭(ただし投票順位50位以内の馬に限る)に優先出走権が与えられます。優先出走権とは、出走を希望する馬が多い場合でも優先して出走できる権利のことです。2026年は5月7日から24日まで投票が行われ、5月28日に最終結果が発表されました。
宝塚記念の基本データ
| 創設 | 1960年 |
| 条件 | 3歳以上・定量(国際競走) |
| コース | 阪神競馬場・芝2200m(右回り・内回り) |
| 出走馬の選定 | ファン投票上位10頭(50位以内)に優先出走権 |
| 2026年 | 6月14日(日)・第67回、1着本賞金3億円 |
創設からの歩み
1800mで始まり、1966年から2200mに
宝塚記念は1960年に創設されました。第1回は3歳以上の馬による芝1800mで行われ、勝ち馬はホマレーヒロです。翌1961年に2000mとなり、1966年から現在の2200mになりました。レース名の「宝塚」は、阪神競馬場がある兵庫県宝塚市に由来します。
1968年からは開催時期が早まったことにともない、4歳以上の古馬だけのレースになりました。その後1987年に開催時期が遅くなったことで、春のクラシックを終えた3歳馬にもふたたび出走のチャンスが開かれています。
2024年は京都で開催、2025年から時期が早まる
宝塚記念は基本的に阪神競馬場で行われますが、2024年は京都競馬場の芝2200mで行われ、ブローザホーンが勝ちました。また、2025年からは開催時期が2週繰り上がり、2025年は6月15日、2026年は6月14日に行われています。なお、宝塚記念の勝ち馬には、オーストラリアのコックスプレートとアメリカのブリーダーズカップターフへの優先出走権が与えられます。
阪神芝2200mの特徴
内回りを1周以上、ゴール前の急坂を2度上る
阪神競馬場は右回りで、宝塚記念は内回りコースを使います。内回りの1周は1689m、最後の直線は356.5mと、東京競馬場などと比べると直線は短めです。2200mのレースでは内回りを1周以上走るため、ゴール前にある急な上り坂を2回上ることになります。この坂は高低差1.8m、勾配1.5%となかなかきつく、残り800m付近から直線半ばにかけて続く下り勾配のあとに待ち構えています。
| 使用コース | 芝・内回り(右回り) |
| 1周の距離 | 1689m(Aコース) |
| 最後の直線 | 356.5m |
| ゴール前の坂 | 高低差1.8m、勾配1.5% |
直線が短いため、コーナーを回りながらの位置取りも勝負を左右し、坂を2度こなすスタミナとパワーも求められます。梅雨の時期に行われるため、雨で馬場が重くなる年も少なくありません。過去10年でも、稍重や重の馬場で行われた年が6回あります。
過去10年の勝ち馬と記録
宝塚記念過去10年の勝ち馬
| 年 | 勝ち馬 | 騎手 | タイム |
| 2026年 | メイショウタバル | 武豊 | 2分12秒1 |
| 2025年 | メイショウタバル | 武豊 | 2分11秒1 |
| 2024年(京都) | ブローザホーン | 菅原明良 | 2分12秒0 |
| 2023年 | イクイノックス | C.ルメール | 2分11秒2 |
| 2022年 | タイトルホルダー | 横山和生 | 2分09秒7 |
| 2021年 | クロノジェネシス | C.ルメール | 2分10秒9 |
| 2020年 | クロノジェネシス | 北村友一 | 2分13秒5 |
| 2019年 | リスグラシュー | D.レーン | 2分10秒8 |
| 2018年 | ミッキーロケット | 和田竜二 | 2分11秒6 |
| 2017年 | サトノクラウン | M.デムーロ | 2分11秒4 |
この10年では、C.ルメール騎手と武豊騎手がそれぞれ2勝を挙げています。
連覇は3頭、レースレコードはタイトルホルダー
宝塚記念を連覇したのは、ゴールドシップ(2013年、2014年)、クロノジェネシス(2020年、2021年)、メイショウタバル(2025年、2026年)の3頭です。メイショウタバルの父はゴールドシップで、父子そろって連覇を達成しました。クロノジェネシスやリスグラシュー、2016年のマリアライトなど、牝馬の活躍が目立つのもこのレースの特徴です。
レースレコードは、2022年にタイトルホルダーが阪神で記録した2分09秒7です。創設以来の勝ち馬には、シンザン(1965年)、ハイセイコー(1974年)、テイエムオペラオー(2000年)、ディープインパクト(2006年)、オルフェーヴル(2012年)など、時代を代表する名馬が並びます。
2026年の宝塚記念
メイショウタバルが重馬場で連覇
2026年の第67回は6月14日に行われました。直前の大雨で重馬場となるなか、2番人気のメイショウタバルが武豊騎手とのコンビで2分12秒1で優勝し、連覇を達成しました。前年は逃げ切りでしたが、この年は2番手から運び、1番人気クロワデュノールの追い上げをクビ差しのいでいます。その後の歩みは宝塚記念史上3頭目の連覇メイショウタバル、凱旋門賞へ調整順調で紹介しています。
同じくファン投票で出走馬が選ばれる年末の大一番については、有馬記念とは?ファン投票で選ぶ年末のグランプリ、歴史と中山芝2500mの特徴を解説もあわせてご覧ください。
押さえておきたいポイント
- 1960年創設、阪神芝2200m(内回り)で行われる上半期のG1の総決算
- ファン投票上位10頭(50位以内)に優先出走権、有馬記念と並ぶグランプリ
- 連覇はゴールドシップ、クロノジェネシス、メイショウタバルの3頭
- レースレコードは2022年タイトルホルダーの2分09秒7
ほかのG1・三冠・サマーシリーズの解説は、JRAのG1・シリーズ解説まとめから一覧で読めます。
管理人のひとこと
自分の一票が出走馬選びにつながるファン投票は、宝塚記念ならではの楽しみだと思います。ゴールドシップが連覇した舞台で、その子メイショウタバルも連覇を果たしたという流れには、血のつながりのロマンを感じずにはいられません。雨が降れば馬場の巧拙も問われる難しいレースですが、だからこそ毎年ドラマが生まれます。次の春のグランプリでは、どの馬に票を託すか今から考えておきたいです。
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