中山大障害は、毎年12月に中山競馬場の障害4100mで行われる、1年を締めくくる障害J・GIです。1934年に創設された歴史ある競走で、2026年は12月26日に第149回が「顕彰馬選定記念 オジュウチョウサンメモリアル」として行われます。大竹柵・大いけ垣といった名物障害の特徴から、歴史、過去10年の勝ち馬と記録まで、障害レースに詳しくない方にもわかるよう整理しました。
中山大障害とは
暮れの中山で障害王を決める「中山大障害」
中山大障害は、障害レースの最高格付けであるJ・GIの1つです。障害の重賞は、平地のGIなどと区別するためにグレードの前へ「J」(Jump=飛越)を付けて表します。JRAの障害J・GIは、4月の中山グランドジャンプと12月の中山大障害の2つしかありません。
出走できるのは3歳以上の馬で、春の中山グランドジャンプ(4歳以上)とは年齢条件が少し違います。負担重量は年齢と性別で決まる「定量」で、牡馬は63kgを背負います。国際競走として行われ、2025年の1着本賞金は7000万円でした。トライアルによる優先出走権はなく、春の中山グランドジャンプや、秋の阪神ジャンプS、東京ハイジャンプ、京都ジャンプSなどの障害重賞を経て、各地の実力馬が集まってきます。
障害レースに騎乗するには、平地とは別の障害の騎乗免許が必要です。障害を主戦場にする騎手も多く、馬の跳び方や癖を知り尽くした人馬のコンビネーションも見どころです。
中山大障害の基本データ
| 創設 | 1934年(1998年までは春と秋の年2回) |
| 格付け | 1999年にJ・GI |
| 条件 | 障害3歳以上オープン・国際・定量 |
| コース | 中山競馬場・障害4100m(芝・内回り) |
| 2026年 | 12月26日(土)・第149回 |
歴史と名前の由来
日本ダービーに並ぶ名物を目指して1934年に誕生
中山大障害は、1934年に中山競馬倶楽部の理事長だった肥田金一郎氏が設けた障害の重賞です。東京競馬場の日本ダービーに匹敵する、中山競馬場の名物レースをつくろうという思いから生まれました。距離は時代とともに何度か変わりましたが、1972年秋に創設時と同じ4100mへ戻り、現在まで続いています。
昭和の時代には、フジノオーが1963年秋から1965年春まで4回続けて優勝するなど、春と秋の両方で名勝負が生まれてきました。
1999年にJ・GIとなり年1回の開催へ
1998年までは春と秋の年2回行われていましたが、障害レースにグレード制が導入された1999年、春の競走は「中山グランドジャンプ」として独立しました。これにより中山大障害は暮れの年1回の開催となり、同時にJ・GIに格付けされています。このとき負担重量も、実績などによって重さが変わる「別定」から、条件が同じなら全馬同じ重さの「定量」に改められました。春の中山グランドジャンプについては中山グランドジャンプとは?障害最高峰J・GIの歴史と中山4260mの特徴を解説で詳しくまとめています。
中山障害4100mと名物障害の特徴
大竹柵・大いけ垣と2度のバンケット
スタートは3コーナー付近です。障害コースを4分の3周したあと、向正面からコースの内側を縦断する「襷(たすき)コース」に入ります。襷コースは通称「大障害コース」とも呼ばれ、中山グランドジャンプと中山大障害の年2回しか使われない特別な走路です。
襷コースではまず、深い谷を下って上る坂路(バンケット)を走り、続いて最初の難関・大竹柵に挑みます。そのあと左回りに変わって障害コースを半周し、再び襷コースへ。もう一度バンケットを越えた先に、第2の難関・大いけ垣が待っています。最後は右回りに戻って障害コースをひと回りし、ダートコースを横切って芝コースへ入ります。中山グランドジャンプと違い、ゴール前の直線に置き障害(芝コース上に置かれる障害)はありません。
JRAによると、距離は中山グランドジャンプより短いものの、バンケットを通る回数は1回多く、スタミナが求められる度合いは見劣りしないとされています。
中山大障害で越える主な名物障害
| 大竹柵 | 竹を束ねた柵の大型版。高さ1.6m・幅2.05m |
| 大いけ垣(大生垣) | 植木を刈り込んだ垣根の大型版。高さ1.6m・幅2.4m |
| バンケット(坂路) | コース内の深い「谷」を下って上る起伏 |
| 襷コース | 内馬場を横切る障害専用の走路。年2回だけ使用 |
過去10年の勝ち馬と記録
中山大障害過去10年の勝ち馬
| 年 | 勝ち馬 | 騎手 | タイム |
| 2025年 | エコロデュエル | 草野太郎 | 4分46秒8 |
| 2024年 | ニシノデイジー | 五十嵐雄祐 | 4分40秒4 |
| 2023年 | マイネルグロン | 石神深一 | 4分37秒9 |
| 2022年 | ニシノデイジー | 五十嵐雄祐 | 4分45秒9 |
| 2021年 | オジュウチョウサン | 石神深一 | 4分46秒6 |
| 2020年 | メイショウダッサイ | 森一馬 | 4分40秒7 |
| 2019年 | シングンマイケル | 金子光希 | 4分38秒9 |
| 2018年 | ニホンピロバロン | 石神深一 | 4分40秒8 |
| 2017年 | オジュウチョウサン | 石神深一 | 4分36秒1 |
| 2016年 | オジュウチョウサン | 石神深一 | 4分45秒6 |
この10年では石神深一騎手が5勝と、ほかを大きく引き離しています。
オジュウチョウサンの3勝とレースレコード
J・GIになってからの最多勝はオジュウチョウサンの3勝(2016・2017・2021年)です。2017年に記録した4分36秒1は現在もレースレコードとして残っています。2勝馬にはキングジョイ(2008・2009年)、ニシノデイジー(2022・2024年)がいます。2023年のマイネルグロンは2着に10馬身差をつける圧勝で、4連勝でのJ・GI制覇でした。
2025年はエコロデュエルが1番人気に応えて勝ち、同じ年に中山グランドジャンプと中山大障害を連勝しました。エコロデュエルは2026年の中山グランドジャンプも制しています。
2026年の中山大障害
オジュウチョウサンメモリアルとして開催
2026年の中山大障害は12月26日(土)、中山競馬場の障害4100mで行われます。2026年にオジュウチョウサンがJRA顕彰馬に選ばれたことを記念し、「顕彰馬選定記念 オジュウチョウサンメモリアル」の副題が付きます。決定の経緯は中山大障害、オジュウチョウサン記念に 顕彰馬選定は41年ぶりで紹介しています。2023年の覇者で、障害再審査に合格して復帰を目指すマイネルグロンの動向も気になるところです。
押さえておきたいポイント
- 中山大障害は1934年創設、1999年にJ・GIとなった暮れの障害王決定戦
- 出走は3歳以上で定量、舞台は中山の障害4100m(内回り)
- 襷コースで大竹柵と大いけ垣を越え、バンケットは中山グランドジャンプより1回多い
- レコードは2017年オジュウチョウサンの4分36秒1、2026年はオジュウチョウサンメモリアルとして開催
ほかのG1・三冠・サマーシリーズの解説は、JRAのG1・シリーズ解説まとめから一覧で読めます。
管理人のひとこと
暮れの中山で行われる中山大障害は、年末の競馬を彩るもう1つの大一番だと感じています。大竹柵や大いけ垣を馬と騎手が息を合わせて越えていく場面は、何度見ても胸が熱くなります。今年はオジュウチョウサンの名を冠した特別な一戦。すべての人馬が無事にゴールし、障害レースの魅力がより多くの人に届くことを願っています。
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