フェブラリーステークス(フェブラリーS)は、毎年2月に東京競馬場のダート1600mで行われるG1で、JRAのその年最初のG1として知られています。1997年にJRA初のダートG1となったこのレースの成り立ちから、舞台となる東京ダート1600mの特徴、過去10年の勝ち馬や連覇の記録まで、基本をまとめました。
フェブラリーステークスとは
春のダート王決定戦「フェブラリーS」
フェブラリーSは、4歳以上の馬が出走できるダートのG1です。負担重量は年齢と性別だけで決まる「定量」で、国際競走として外国馬も、指定競走として地方競馬所属の馬も出走できます。2月の東京開催で行われるため、1年のG1シーズンの幕開けを告げるレースでもあります。
前哨戦(本番の前に行われるステップレース)としては、同じ東京で行われる根岸ステークスが代表的です。2026年の場合、根岸Sとプロキオンステークスの1着馬に優先出走権(出走枠を優先的に得られる権利)が与えられていました。前年秋から冬のダートG1を戦ってきた実績馬と、前哨戦を勝ち上がってきた勢いのある馬がぶつかるのが見どころです。
フェブラリーSの基本データ
| 創設 | 1984年(フェブラリーハンデキャップとして) |
| 格付け | G1(1997年から、JRA初のダートG1) |
| 条件 | 4歳以上オープン・定量 |
| コース | 東京競馬場・ダート1600m(左回り) |
| 2026年 | 2月22日(日)・第43回 |
歴史と名前の由来
ハンデ戦から始まり、1997年にJRA初のダートG1へ
レース名の「フェブラリー」は英語で2月のこと。開催月がそのまま名前になっています。始まりは1984年で、東京ダート1600mのハンデキャップ競走(実績に応じて負担重量に差をつけるレース)「フェブラリーハンデキャップ」として創設されました。1994年には負担重量が別定に変わり、名前も「フェブラリーステークス」に改められてG2に格上げされます。
大きな転機は1997年です。中央競馬と地方競馬の交流競走が広がるなかで、フェブラリーSはJRA初のダートG1に格上げされ、負担重量も定量になりました。芝のレースが中心だった中央競馬で、ダートの頂点を決める舞台が初めて生まれた瞬間でした。
地方馬の勝利や中山での開催も
G1になって3年目の1999年には、地方競馬所属のメイセイオペラが優勝し、地方所属馬として初めて中央のG1を制しました。ダートの交流が進んだ時代を象徴する出来事です。また、開催時期は年によって前後しており、1998年は2月1日、1999年は1月31日に行われました。2003年は中山競馬場のダート1800mで実施されており、創設から現在までで東京以外で行われたのはこの年だけです。
東京ダート1600mの特徴
芝からのスタートと、ダート最長の直線
東京ダート1600mは、2コーナー奥からスタートします。最初の部分は芝の上を走り、そこからダートに入るため、芝でのダッシュ力もポジション取りに影響します。向こう正面を進んで大きな3、4コーナーを回ると、JRAのダートコースで最も長い直線が待っています。
| スタート地点 | 2コーナー奥(芝の部分からスタート) |
| 最後の直線 | 501.6m(JRAのダートコースで最長) |
| 直線の坂 | 高低差2.4mの上り坂 |
| 坂を上りきってから | ゴールまで約220mの平坦 |
序盤から流れが速くなりやすく、長い直線と坂もあるため、スピードだけでなく最後まで脚を使い続ける持久力が求められます。短距離寄りの馬が先行して押し切るのは簡単ではない、タフなマイル戦といえます。
過去10年の勝ち馬と記録
フェブラリーS過去10年の勝ち馬
| 年 | 勝ち馬 | 騎手 | タイム |
| 2026年 | コスタノヴァ | C.ルメール | 1分35秒4 |
| 2025年 | コスタノヴァ | R.キング | 1分35秒5 |
| 2024年 | ペプチドナイル | 藤岡佑介 | 1分35秒7 |
| 2023年 | レモンポップ | 坂井瑠星 | 1分35秒6 |
| 2022年 | カフェファラオ | 福永祐一 | 1分33秒8 |
| 2021年 | カフェファラオ | C.ルメール | 1分34秒4 |
| 2020年 | モズアスコット | C.ルメール | 1分35秒2 |
| 2019年 | インティ | 武豊 | 1分35秒6 |
| 2018年 | ノンコノユメ | 内田博幸 | 1分36秒0 |
| 2017年 | ゴールドドリーム | M.デムーロ | 1分35秒1 |
この10年ではC.ルメール騎手が3勝を挙げています。2025年は女性騎手のR.キング騎手がコスタノヴァで勝ち、大きな話題になりました。
連覇は3頭、最速タイムは1分33秒8
フェブラリーSを連覇した馬は3頭います。2014年と2015年のコパノリッキー、2021年と2022年のカフェファラオ、そして2025年と2026年のコスタノヴァです。コスタノヴァは2025年がR.キング騎手、2026年がC.ルメール騎手と、違う騎手で2連勝を飾っています。
タイムの面では、2022年にカフェファラオが重馬場で記録した1分33秒8が、歴代の勝ちタイムで最も速い時計です。この時計は当時のコースレコードに並ぶものでした。歴代の勝ちタイムの1位と2位(2016年モーニンの1分34秒0)はどちらも重馬場の年で、水分を含んで締まったダートでは時計が速くなりやすいことがうかがえます。
2026年のフェブラリーS
コスタノヴァが連覇、その後に引退
2026年2月22日の第43回フェブラリーSは、コスタノヴァがC.ルメール騎手を背に1分35秒4で勝ち、前年に続く連覇を果たしました。2着はウィルソンテソーロ、3着はダブルハートボンドでした。そのコスタノヴァは10月に現役を退くことが決まり、詳しくはコスタノヴァが引退、種牡馬入り フェブラリーS連覇の6歳馬で紹介しています。冬のダート王決定戦については、チャンピオンズCとは?ダート王決定戦の歴史と中京ダート1800mの特徴を解説もあわせてどうぞ。
押さえておきたいポイント
- 毎年2月に東京ダート1600mで行われる、JRAのその年最初のG1
- 1984年にハンデ戦として創設され、1997年にJRA初のダートG1に昇格
- 直線501.6mはJRAのダートコースで最長、芝スタートも特徴
- 連覇はコパノリッキー、カフェファラオ、コスタノヴァの3頭
ほかのG1・三冠・サマーシリーズの解説は、JRAのG1・シリーズ解説まとめから一覧で読めます。
管理人のひとこと
ハンデ戦として始まったレースが、今では1年のG1シーズンの幕開けを任されていると思うと感慨深いものがあります。冬の東京で、長い直線を砂煙を上げて駆け上がってくる姿は、ダート競馬の魅力が詰まった光景です。連覇を果たしたコスタノヴァが去った2027年は、どんな新しいダート王が名乗りを上げるのか、今から楽しみです。
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