阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神JF)は、毎年12月に阪神競馬場の芝1600mで行われる、2歳牝馬だけが出走できるG1です。2026年は12月13日(日)に第78回が行われます。「2歳女王決定戦」と呼ばれるこのレースの歴史と名前の由来、阪神芝1600mの特徴、過去10年の勝ち馬や記録をまとめました。
阪神ジュベナイルフィリーズとは
2歳牝馬の頂点を決めるG1
阪神ジュベナイルフィリーズは、2歳の牝馬(メス馬)だけが出走できるG1です。負担重量は年齢と性別で決まる「馬齢」重量で、出走馬はみな同じ重さを背負って走ります。デビューして間もない若い馬たちが、マイル(1600m)で世代最初の女王の座を争う一戦です。勝ち馬は、翌春の桜花賞やオークスへ向けた主役として注目されます。
優先出走権が与えられるトライアルはなく、主なステップレースは新潟2歳S(G3)、サウジアラビアロイヤルC(G3)、アルテミスS(G3)、ファンタジーS(G3)です。重賞で賞金を加算しておくことが、本番の出走に向けた大きな足がかりになります。
阪神ジュベナイルフィリーズの基本データ
| 創設 | 1949年(阪神3歳ステークスとして) |
| 格付け | G1(1984年のグレード制導入時) |
| 条件 | 2歳牝馬・馬齢(2010年から国際競走) |
| コース | 阪神競馬場・芝1600m(外回り・右回り) |
| 2026年 | 12月13日(日)・第78回 |
歴史と名前の由来
1949年に「阪神3歳ステークス」として誕生
このレースは1949年、東西の2歳戦を締めくくるレースとして、中山の「朝日杯3歳ステークス」とともに創設された「阪神3歳ステークス」が始まりです。当時の馬齢表記は今より1歳多く数える方式だったため、今の2歳馬が「3歳」と呼ばれていました。1984年にグレード制が導入されると、朝日杯とともにG1に格付けされました。
当初は牡馬(オス馬)も出走できるレースでしたが、1991年に牝馬限定となり、名前も「阪神3歳牝馬ステークス」に変わりました。同じ年に朝日杯が牡馬・せん馬限定となり、2つのレースがそれぞれの性別の2歳王者を決める形になったのです。
2001年に現在の名前へ
2001年、馬の年齢表記が国際基準の満年齢に変わったのに合わせ、レース名は「阪神ジュベナイルフィリーズ」に改められました。「ジュベナイル(Juvenile)」は英語で少年・少女、「フィリー(Filly)」は若い牝馬を意味します。つまり「若い牝馬たちのレース」という名前です。2010年からは国際競走として行われています。なお、2024年は京都競馬場の芝1600m(外回り)で行われました。
阪神芝1600m(外回り)の特徴
ゆったりしたコーナーと長い直線、ゴール前の急坂
スタートは向こう正面の半ばで、3コーナーまでは400m以上あります。そのため序盤の先行争いが激しくなりにくく、道中で位置を上げていくこともできます。外回りの3・4コーナーはカーブが緩やかで、ペースが極端に落ちにくいのが特徴です。
| スタート地点 | 向こう正面の半ば |
| 3コーナーまで | 400m以上(A・Bコースとも) |
| 最後の直線 | Aコース473.6m、Bコース476.3m |
| ゴール前の坂 | 高低差1.8mの急坂 |
残り600m付近から緩やかな下りになっていて、各馬は勢いをつけながら直線に向きます。後方の馬も4コーナーの下りで加速しやすく、直線では内外に広がった迫力ある追い比べになりがちです。最後に急坂が待っているため、器用さよりも底力(最後まで脚を伸ばし続ける力)が問われるコースといえます。
過去10年の勝ち馬と記録
阪神ジュベナイルフィリーズ過去10年の勝ち馬
| 年 | 勝ち馬 | 騎手 | タイム |
| 2025年 | スターアニス | 松山弘平 | 1分32秒6 |
| 2024年 | アルマヴェローチェ | 岩田望来 | 1分33秒4(京都) |
| 2023年 | アスコリピチェーノ | 北村宏司 | 1分32秒6 |
| 2022年 | リバティアイランド | 川田将雅 | 1分33秒1 |
| 2021年 | サークルオブライフ | M.デムーロ | 1分33秒8 |
| 2020年 | ソダシ | 吉田隼人 | 1分33秒1 |
| 2019年 | レシステンシア | 北村友一 | 1分32秒7 |
| 2018年 | ダノンファンタジー | C.デムーロ | 1分34秒1 |
| 2017年 | ラッキーライラック | 石橋脩 | 1分34秒3 |
| 2016年 | ソウルスターリング | C.ルメール | 1分34秒0 |
この10年は毎年違う騎手が勝っており、同じ騎手の2勝はありません。
レースレコードと、クラシックへつながる勝ち馬たち
2019年にレシステンシアが1分32秒7のレコードで勝ち、2023年にはアスコリピチェーノがそれを上回る1分32秒6のレースレコードをマークしました。2025年のスターアニスも同じ1分32秒6で勝っています。2020年には白毛馬のソダシがデビュー4連勝で女王となり、話題を集めました。
このレースの勝ち馬は、翌年のクラシックでも活躍しています。ソダシは翌2021年の桜花賞を制し、2022年の勝ち馬リバティアイランドは2023年に桜花賞・オークス・秋華賞の牝馬三冠を達成。2016年のソウルスターリングは翌年のオークスを勝ちました。さかのぼると、2008年のブエナビスタは翌年に桜花賞とオークスを制し、2009年のアパパネは翌年に牝馬三冠を達成。2006年のウオッカは翌年の日本ダービーを勝っています。2025年のスターアニスも、2026年の桜花賞を制しました。
2026年の阪神ジュベナイルフィリーズ
12月13日に第78回阪神JF
2026年の阪神ジュベナイルフィリーズは12月13日(日)、阪神芝1600mで行われます。ステップレースのアルテミスSは、プルヴィナルが無傷の2連勝で制し、2着のローズサルーテは賞金を加算して阪神JFへ向かう予定です。前年の女王スターアニスは、3歳秋にスプリンターズS4着からマイルCSへ向かうことが決まっています。
押さえておきたいポイント
- 1949年創設の阪神3歳Sが前身で、1991年から牝馬限定、2001年に現在の名称に
- 優先出走権のあるトライアルはなく、アルテミスSやファンタジーSなどがステップ
- 阪神芝1600m外回りは直線が約470mと長く、ゴール前に急坂がある
- レースレコードは1分32秒6、勝ち馬から多くの桜花賞馬・三冠牝馬が出ている
ほかのG1・三冠・サマーシリーズの解説は、JRAのG1・シリーズ解説まとめから一覧で読めます。
管理人のひとこと
デビューして間もない2歳の牝馬たちが、阪神の長い直線で一生懸命に走る姿には、毎年胸が熱くなります。ここを勝った馬が翌春に桜花賞を制したり、三冠牝馬になったりする流れを見ると、女王の物語はまさにこのレースから始まるのだと感じます。2026年はどの馬が新たな2歳女王に輝くのか、ステップレースから楽しみに見守りたいです。
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