「大統領まで様々なルートを探った」——矢作芳人、米国遠征の舞台裏
ジョッキークラブゴールドカップを快勝し、ブリーダーズカップ・クラシック連覇に向けて好発進を切ったフォーエバーヤング。その裏側で、管理する矢作芳人調教師が「日本馬だけ不利なルール」を変えようと、地道なロビー活動を続けていたことが明らかになりました。
「日本馬だけ不利なルール」とは何か
米国では、馬伝染性子宮炎(CEM)という馬特有の性感染症が、報告義務のある感染症に指定されています。このため遠征してきた日本馬は、現地の競馬場で検疫厩舎への隔離を求められます。一方、欧州馬は事前に3回の検査を受けることで、隔離なしで米国内を自由に移動できる特別な仕組みが用意されています。ところが日本馬には、この仕組みへのアクセスそのものがありませんでした。同じ遠征馬でありながら、調整の自由度に大きな差が生まれてしまう——これが矢作芳人調教師の言う「日本馬だけ不利なルール」の正体です。
「大統領まで様々なルートを探った」
矢作芳人調教師は、このルールを変えるべく、米国の実力者から大統領まで、あらゆるルートを探ってロビー活動を続けてきたといいます。単独での交渉には限界があり、日本の外務省・農林水産省・在米日本大使館の協力も仰ぎながら、地道な働きかけを重ねてきました。
その原動力について、矢作芳人調教師はこう語っています。
「フォーエバーヤングという切り札を持っているときに変えない限り、このルールは変わらないと思った」
結果はどうだったのか
残念ながら、今回の遠征に間に合う形での即座のルール変更は実現しませんでした。それでも矢作芳人調教師は、次のように前向きに総括しています。
「残念ながら、今すぐのルール変更は難しい状況だが、今後のために一石を投じることはできた」
フォーエバーヤング自身の遠征という結果はもちろん、その先を見据えたルール改善への布石を残せたことも、今回の米国挑戦が持つもうひとつの意味だったといえそうです。
押さえておきたいポイント
- 米国では日本馬だけが検疫厩舎への隔離を求められ、欧州馬と比べて調整の自由度に差がある
- 矢作芳人調教師は米国の実力者から大統領まで様々なルートを探りロビー活動を継続
- 外務省・農水省・在米日本大使館の協力も得ながら働きかけを行った
- 今回の遠征での即時のルール変更は実現しなかったが、今後への布石になったとの認識
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管理人のひとこと
一頭の馬を勝たせるだけでなく、その先の日本競馬全体の環境改善まで見据えて動く——矢作芳人調教師のスケールの大きさを感じるエピソードです。「フォーエバーヤングという切り札を持っているときに変えない限り」という言葉には、勝負師としての覚悟だけでなく、後に続く日本馬たちへの想いも込められているように感じます。今回は実を結ばなかったとしても、この一石が数年後に形になる日が来るかもしれません。ブリーダーズカップ本番でのさらなる活躍とあわせて、注目していきたいトピックです。
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