ホープフルSは、毎年12月下旬に中山競馬場の芝2000mで行われる、2歳馬の中距離G1です。2026年は12月26日(土)に第43回が行われます。G2から2017年にG1へ昇格した経緯を含むレースの歴史、中山芝2000mの特徴、G1昇格後の勝ち馬と記録をまとめました。
ホープフルSとは
2歳の中距離路線の頂点を決めるG1
ホープフルステークスは、2歳の牡馬(オス馬)と牝馬(メス馬)が出走できる芝2000mのG1です。負担重量は年齢と性別で決まる「馬齢」重量です。2歳のG1は、阪神ジュベナイルフィリーズと朝日杯フューチュリティSがどちらも1600mのマイル戦なのに対し、ホープフルSは2000mの中距離戦。翌春の皐月賞と同じ中山芝2000mで行われるため、クラシックを占う一戦として注目されます。毎年、JRAの1年の最後の開催を盛り上げるレースでもあります。
優先出走権が与えられるトライアルはなく、主なステップレースは札幌2歳S(G3)、デイリー杯2歳S(G2)、東京スポーツ杯2歳S(G2)、京都2歳S(G3)です。
ホープフルSの基本データ
| 創設 | 1984年(ラジオたんぱ杯3歳牝馬ステークスとして) |
| 格付け | 2014年にG2、2017年にG1へ昇格 |
| 条件 | 2歳牡馬・牝馬・馬齢 |
| コース | 中山競馬場・芝2000m(内回り・右回り) |
| 2026年 | 12月26日(土)・第43回 |
歴史とG1昇格の経緯
前身は阪神の牝馬限定重賞
ホープフルSのルーツは、1984年に創設された重賞(G3)の「ラジオたんぱ杯3歳牝馬ステークス」です。当時の馬齢表記では今の2歳馬を「3歳」と呼んでいました。創設当初は桜花賞への登竜門として、阪神競馬場の1600mで牝馬限定で行われていました。
1991年には出走できるのが牡馬・せん馬に変わり、距離も2000mに延長されて、性格が大きく変わります。2000年からは牝馬も再び出走できるようになり、2006年にはレース名が「ラジオNIKKEI杯2歳ステークス」となりました。回数はこの1984年から通して数えるため、2026年は第43回です。
2014年に中山へ移りG2、2017年にG1へ
大きな転機は2014年です。G2に格上げされると同時に舞台を中山競馬場に移し、レース名も現在の「ホープフルステークス」に改められました。皐月賞と同じ舞台で行われることで、クラシック路線を占うレースとして注目度が高まります。そして2017年、G1に昇格。2歳の中距離路線の頂点を決めるレースとして位置づけられました。「ホープフル(Hopeful)」は英語で「希望に満ちた」「望みを持つ」を意味し、未来のスター候補が集まるレースにふさわしい名前です。
G1として初めて行われた2017年は12月28日の開催で、タイムフライヤーが勝って初代王者となりました。
中山芝2000mの特徴
坂を2度上る小回りコース
スタート地点は直線の入口付近で、スタートしてすぐに急坂を上りながら位置取り争いが始まります。1コーナーから向こう正面にかけては下りが続き、勝負所となる残り600mは3コーナーにあります。小回りのコーナーをスピードに乗って回るため、外を回ると距離のロスが大きくなります。
| スタート地点 | 直線の入口付近(内回り) |
| 1コーナーまで | Aコース404.9m、Bコース386m、Cコース367.2m |
| 最後の直線 | 310m |
| 直線の坂 | 高低差2.2mの急坂(1周で2回上る) |
最後の直線は310mと短いものの、途中に中山名物の急坂があるため、勢いだけで押し切るのは簡単ではありません。器用さとパワーの両方が求められ、レベルの高い年には向こう正面から早めに進出する馬も出てきます。まだ体ができあがっていない2歳馬にとっては、タフさも試される舞台です。
G1昇格後の勝ち馬と記録
ホープフルSの勝ち馬(2017年以降)
| 年 | 勝ち馬 | 騎手 | タイム |
| 2025年 | ロブチェン | 松山弘平 | 2分01秒0 |
| 2024年 | クロワデュノール | 北村友一 | 2分00秒5 |
| 2023年 | レガレイラ | C.ルメール | 2分00秒2 |
| 2022年 | ドゥラエレーデ | B.ムルザバエフ | 2分01秒5 |
| 2021年 | キラーアビリティ | 横山武史 | 2分00秒6 |
| 2020年 | ダノンザキッド | 川田将雅 | 2分02秒8 |
| 2019年 | コントレイル | 福永祐一 | 2分01秒4 |
| 2018年 | サートゥルナーリア | M.デムーロ | 2分01秒6 |
| 2017年 | タイムフライヤー | C.デムーロ | 2分01秒4 |
G1になってからはまだ9回で、同じ騎手が2度勝った例はありません。勝ちタイムで最も速いのは、2023年にレガレイラが記録した2分00秒2です。
牝馬の勝利と、クラシックへつながる勝ち馬たち
G1昇格後に牝馬で勝ったのは、2023年のレガレイラだけです。レガレイラは翌2024年の有馬記念も制しました。
このレースの勝ち馬は、翌年のクラシックで大きな成果を挙げています。2018年のサートゥルナーリアは翌年の皐月賞を勝ち、2019年のコントレイルは2020年に皐月賞・日本ダービー・菊花賞のクラシック三冠を達成。2024年のクロワデュノールは2025年の日本ダービーを制し、2025年のロブチェンも2026年の皐月賞と日本ダービーを勝ちました。ロブチェンは三冠をかけた菊花賞で14着に敗れ、その敗因については杉山晴紀調教師が距離について語った記事で紹介しています。
2026年のホープフルS
12月26日に第43回ホープフルS
2026年のホープフルSは12月26日(土)、中山芝2000mで行われます。この先、東京スポーツ杯2歳Sや京都2歳Sなどのステップレースを経て、出走馬の顔ぶれが固まっていきます。同じ舞台で行われる皐月賞の歴史とコースの特徴や、1週前に行われる2歳マイルG1朝日杯フューチュリティSとあわせて読むと、2歳戦からクラシックへの流れがよりわかりやすくなります。
押さえておきたいポイント
- 前身は1984年創設のラジオたんぱ杯3歳牝馬S、2014年に中山へ移りG2のホープフルSに
- 2017年にG1へ昇格し、2歳の中距離路線の頂点を決めるレースに
- 皐月賞と同じ中山芝2000mで、直線310mの短さと2度の急坂が特徴
- コントレイル、クロワデュノール、ロブチェンなど勝ち馬からクラシック馬が続出
ほかのG1・三冠・サマーシリーズの解説は、JRAのG1・シリーズ解説まとめから一覧で読めます。
管理人のひとこと
1年の締めくくりに行われるホープフルSは、来年のクラシックの主役を探す楽しみが詰まったレースだと感じます。G1になってまだ10年足らずですが、コントレイルやロブチェンのように、ここを勝った馬が翌年のクラシックで主役を務める流れがすっかり定着しました。2026年の暮れに中山の急坂を力強く駆け上がるのはどの若駒か、今から楽しみです。
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