スティンガーグラスが、11月3日のメルボルンC2026(G1、フレミントン芝3200m)に出走できないことになりました。10月30日、レーシングヴィクトリアの裁決委員が、CT・PET検査の結果「現時点で負傷のリスクが高い」と判断し、今春のスプリングレーシングカーニバルを含めて出走を認めないと決めたと発表しています。
出来事の概要
メルボルンC出走不可の決定内容
スティンガーグラス(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎、父キズナ)は、オーストラリアのヴィクトリア州の競馬を統括するレーシングヴィクトリア(RV)から、メルボルンCを含む今春のスプリングレーシングカーニバルへの出走を認められませんでした。RVの獣医部門に助言する独立の画像診断専門家が、CT検査と追加のPET検査を検討したうえでの判断です。
公表された説明は負傷リスクに関する評価で、骨折など特定のけがが確定したとは述べられていません。決定の根拠となった情報は、オーストラリアと日本にいる関係者に伝えられたとのことです。
CT検査とPET検査までの流れ
スティンガーグラスは渡航前の8月26日に日本でMRI検査を受け、手続きを進めて問題ないとの見解が示されていました。10月12日にオーストラリアに到着後は、2週間の検疫を受けながら調整し、27日にメルボルン大学の馬診療センターで脚の下部(四肢遠位部)の必須CT検査を受けました。審査した専門家3人が負傷リスクの上昇を示唆する所見を報告し、陣営にはPET検査を受ける機会が設けられましたが、追加検査でも同じ見解が示されました。
背景にあるもの
日本ではMRI、豪州ではCTが必要になる理由
RVの獣医プロトコルでは、海外から参戦する馬には渡航前のCT検査が推奨されています。日本には馬を立たせた状態で撮影できるCT装置がないため、スティンガーグラスは渡航前にMRIを受けました。ただし、MRIを受けていても、メルボルンCなど対象競走に出る海外馬は、オーストラリアでのCT検査が必要です。CTは骨の状態を、PETは病変部の活動を調べる検査で、RVは2025年からPET検査も導入しています。
陣営がメルボルンCへ向けて進めてきた経緯は、登録39頭に絞られた記事や、C.ルメール騎手で挑戦予定だった記事で紹介しています。
メルボルンC2026の現状を整理
| レース | メルボルンC(G1)、11月3日、フレミントン芝3200m |
| スティンガーグラス | 牡5歳、栗東・友道康夫厩舎。出走を認められず |
| 登録リスト | 10月30日時点で34頭が残り、いずれも画像検査の結果は良好 |
| 最終登録締め切り | 10月31日午後4時30分(豪州東部夏時間) |
今後どうなるか
日本馬不在でもJRAの馬券発売は予定通り
JRAは10月30日、メルボルンCの馬券発売を予定通り実施すると発表しました。出走予定だった唯一の日本調教馬がスティンガーグラスで、日本馬不在での発売となります。メルボルンCの馬券発売は2019年以来7年ぶりで、今秋に海外馬券の発売対象が拡大されたことによるものです。発売の経緯はメルボルンC2026の馬券をJRAが7年ぶり発売する記事で紹介しています。
押さえておきたいポイント
- スティンガーグラスは、メルボルンCを含む今春のカーニバルへの出走を認められませんでした。
- 判断の理由は「現時点で負傷のリスクが高い」という評価で、特定のけがが確定したとは述べられていません。
- メルボルンCは11月3日に行われ、最終登録の締め切りは10月31日です。
- JRAの馬券発売は、日本馬不在でも予定通り実施されます。
管理人のひとこと
遠い異国まで渡り、ここまで調整を重ねてきただけに、陣営の落胆は大きいと思います。何より、馬の安全を最優先にした判断だということは受け止めたいです。まずはスティンガーグラスが大事に至らないことを願い、今後の進路についての陣営の発表を待ちたいと思います。
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