スプリンターズステークスは、毎年秋に中山競馬場の芝1200mで行われる、3歳以上のスプリント王決定戦です。1967年に創設され、1990年にG1へ昇格しました。秋のG1シーズンの幕開けを告げるこのレースの歴史と名前の由来、中山芝1200mのコースの特徴、過去10年の勝ち馬と記録をまとめました。
スプリンターズSとは
秋のスプリント王を決めるG1「スプリンターズステークス」
スプリンターズステークス(スプリンターズS)は、1200mという短い距離で速さを競う「スプリンター」の頂点を決めるレースです。出走できるのは3歳以上の馬で、負担重量は年齢と性別で決まる「定量」。春に中京競馬場で行われる高松宮記念と並ぶ、JRAの芝短距離G1の2本柱にあたります。例年9月末から10月初めの中山開催の最終週に組まれ、ここから秋のG1が続いていきます。
前哨戦として大切なのが、夏の札幌で行われるキーンランドカップ(G3)と、阪神の産経賞セントウルステークス(G2)です。どちらも1着馬にスプリンターズSへの優先出走権が与えられます。このほか、函館スプリントS、北九州記念、アイビスサマーダッシュ、CBC賞といった夏の短距離重賞を使ってきた馬も多く、夏の上がり馬と春の実績馬がぶつかる構図になりやすいのも特徴です。
スプリンターズSの基本データ
| 創設 | 1967年 |
| 格付け | 1984年G3、1987年G2、1990年からG1(1994年から国際競走) |
| 条件 | 3歳以上オープン・定量 |
| コース | 中山競馬場・芝1200m(外回り) |
| 優先出走権 | キーンランドカップ1着、セントウルステークス1着 |
| 2026年 | 9月27日・第60回、ピューロマジック(岩田望来騎手)が優勝 |
歴史と名前の由来
唯一の芝1200m重賞として誕生、1990年にG1へ
スプリンターズSは1967年、当時の3歳以上の馬にとって唯一の芝1200mの重賞として生まれました。1984年にグレード制が始まった時点ではG3、1987年からはG2として行われていましたが、欧米のように短距離馬のための大レースを設けて距離ごとの体系をはっきりさせようという考えから、1990年にG1へ格上げされました。1994年からは外国馬も出走できる国際競走になっています。
もともとは年末の中山開催で行われていましたが、2000年に秋の中山開催の最終週へ移りました。なお、2002年と2014年は新潟競馬場の芝1200mで行われました。
名前の由来は「短距離を速く走る者」
「スプリンター(Sprinter)」は英語で、短い距離を速いスピードで走る人や動物のことです。創設からずっと「スプリンターズステークス」の名前で行われてきましたが、1969年だけは「英国フェア開催記念(スプリンターズステークス)」というレース名でした。
中山芝1200mの特徴
下り坂のスタートから、ゴール前の急坂へ
舞台は中山の芝1200m外回りコースです。スタート地点は外回りコースのいちばん奥のあたりで、3コーナーまではAコース使用時で約275mあります。スタートからしばらく下り坂が続くため、前半からペースが速くなりやすいのが大きな特徴です。外回りの3コーナーはカーブがゆるやかなので、各馬はスピードを落とさずに4コーナーへなだれ込みます。
| スタート地点 | 外回りコースのいちばん奥のあたり |
| 3コーナーまで | 約275m(Aコース)、約257m(Cコース) |
| 最後の直線 | 310m |
| 直線の坂 | 高低差2.2mの急な上り坂 |
直線は310mと短いものの、ゴール前には高低差2.2mの急坂が待っています。前半は速さ、後半は坂を上り切るパワーと持久力が問われ、ゴール直前で前と後ろの差が一気に縮まって逆転が起きることも少なくありません。
過去10年の勝ち馬と記録
スプリンターズS過去10年の勝ち馬
| 年 | 勝ち馬 | 騎手 |
| 2026年 | ピューロマジック | 岩田望来 |
| 2025年 | ウインカーネリアン | 三浦皇成 |
| 2024年 | ルガル | 西村淳也 |
| 2023年 | ママコチャ | 川田将雅 |
| 2022年 | ジャンダルム | 荻野極 |
| 2021年 | ピクシーナイト | 福永祐一 |
| 2020年 | グランアレグリア | C.ルメール |
| 2019年 | タワーオブロンドン | C.ルメール |
| 2018年 | ファインニードル | 川田将雅 |
| 2017年 | レッドファルクス | M.デムーロ |
この10年でC.ルメール騎手と川田将雅騎手がそれぞれ2勝しています。前年の2016年もレッドファルクスとM.デムーロ騎手のコンビが勝っており、同じコンビでの連覇でした。
連覇は3頭、名スプリンターが並ぶ歴代勝ち馬
G1になった1990年以降、スプリンターズSを連覇したのはサクラバクシンオー(1993・1994年)、ロードカナロア(2012・2013年)、レッドファルクス(2016・2017年)の3頭です。2026年は前年覇者のウインカーネリアンが史上4頭目の連覇に挑みましたが、届きませんでした。2026年のピューロマジックは5歳の牝馬で、牡馬と互角に戦える舞台であることも示しました。
2026年のスプリンターズS
9番人気ピューロマジックが逃げ切り
第60回となった2026年は9月27日に行われ、前日の雨で稍重となった馬場を、9番人気のピューロマジックが大外16番枠から逃げ切りました。勝ちタイムは1分9秒2で、2着のワールズエンドとはクビ差。前年の勝ちタイム1分6秒9から大きくかかる、力のいる決着でした。レースの詳しい内容はスプリンターズS、ピューロマジックが逃げ切りV 岩田望来2つ目のG1制覇で紹介しています。秋の短距離・マイル路線の流れをつかむには、マイルCSとは?秋のマイル王決定戦の歴史と京都芝1600mの特徴もあわせて読むとわかりやすいです。
押さえておきたいポイント
- 1967年創設、1990年にG1へ昇格した秋のスプリント王決定戦
- キーンランドカップとセントウルステークスの1着馬に優先出走権
- 中山芝1200mは下り坂で始まり、310mの直線に高低差2.2mの急坂
- G1昇格後の連覇はサクラバクシンオー、ロードカナロア、レッドファルクスの3頭
ほかのG1・三冠・サマーシリーズの解説は、JRAのG1・シリーズ解説まとめから一覧で読めます。
管理人のひとこと
1分少々で決着がつくスプリント戦は、ゲートが開いた瞬間から目が離せないのが魅力です。2026年のピューロマジックのように、夏に力をつけた馬が秋の大舞台で一気に頂点へ駆け上がる姿には、毎年胸が熱くなります。中山の急坂でもう一度伸びてくる馬はどの馬なのか、来年もこの秋の開幕戦を楽しみに待ちたいと思います。
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