マイルCS(マイルチャンピオンシップ)は、毎年11月に京都競馬場の芝1600mで行われる、秋のマイル王を決めるGⅠです。2026年は11月22日に第43回が行われます。この記事では、レースの成り立ちと歴史、舞台となる京都芝1600m(外回り)の特徴、過去10年の勝ち馬と記録を整理します。
マイルCSとは
秋のマイル王決定戦、マイルチャンピオンシップ
マイルCSは3歳以上の馬が出走できるGⅠで、負担重量は年齢と性別だけで決まる「定量」で行われます。「マイル」は約1600m、「チャンピオンシップ」は優勝決定戦という意味で、名前のとおりマイル路線の頂点を決める一戦です。春の安田記念(東京芝1600m)と並ぶ古馬のマイルGⅠで、マイラー(1600m前後を得意とする馬)にとっては秋の最大目標になっています。
マイル路線の古馬に、クラシックを戦ってきた3歳馬や天皇賞(秋)からの転戦組が加わることもあり、多彩な顔ぶれがそろいます。
前哨戦はスワンSと富士S
マイルCSにつながる主な前哨戦は、京都芝1400mのスワンステークス(GⅡ)と、東京芝1600mの富士ステークス(GⅡ)です。どちらも1着馬にはマイルCSの優先出走権(出走希望馬が多くても優先して出走できる権利)が与えられます。このほか、安田記念や毎日王冠などからの参戦もあります。
歴史と位置づけ
1984年、グレード制の導入とともに創設
かつての日本競馬は長距離のレースを重く見る番組体系でした。1984年に競馬番組が大きく見直され、レースをGⅠ・GⅡ・GⅢに格付けするグレード制が導入されると、馬はそれぞれの距離適性に合ったレースを選べるようになります。その年に、短距離路線の頂点に立つレースとして創設されたのがマイルCSです。創設以来、レース名は変わっていません。
国際競走化と阪神での代替開催
1998年からは前哨戦のスワンSとともに国際競走となり、外国馬も出走できるようになりました。2008年には、秋に行われる国際GⅠのシリーズ「ジャパン・オータムインターナショナル」の対象レースにも指定されています。
京都競馬場の整備工事にともない、2020年の第37回は史上初めて阪神競馬場(芝1600m)で行われ、2021年、2022年も阪神開催が続きました。2023年からは再び京都競馬場に戻っています。
マイルCSの歴史を整理
| 1984年 | グレード制の導入とともに創設(第1回) |
| 1998年 | スワンSとともに国際競走となる |
| 2008年 | ジャパン・オータムインターナショナルに指定 |
| 2020〜2022年 | 京都競馬場の整備工事のため阪神芝1600mで開催 |
| 2023年〜 | 京都芝1600m(外回り)での開催に戻る |
京都芝1600mの特徴
引き込み線からのスタートと3コーナーの坂
京都芝1600m(外回り)は、2コーナー奥の引き込み線(コースから枝分かれした発走用の直線)からスタートします。外回りコースを使うため、最初のコーナーとなる3コーナーまでは700mほどあり、長い向正面を使って位置取りが決まっていきます。
向正面の半ばから3コーナーにかけては上り坂で、ここでいったんペースが落ち着きます。坂の頂上は残り800mあたりで、高低差は3.9m。そこから4コーナーに向けては急な下りとなり、各馬が自然と加速しながら直線へ向かいます。直線は平坦で、長さはAコース使用時で403.7m、B・C・Dコース使用時で398.7mです。
下り坂の影響でスパートが早めになりやすく、長く脚を使い続ける力が求められます。そのため、1600mより長い距離もこなせるタイプが好走しやすいとされています。
京都芝1600m(外回り)を整理
| スタート地点 | 2コーナー奥の引き込み線 |
| 3コーナーまで | 約700mと長い |
| 高低差 | 3.9m(3コーナーの坂、頂上は残り800m付近) |
| 最後の直線 | 403.7m(Aコース)、398.7m(B・C・Dコース)、平坦 |
過去10年の勝ち馬と記録
マイルCS過去10年の勝ち馬
| 年 | 勝ち馬 | 騎手 |
| 2025年 | ジャンタルマンタル | 川田将雅 |
| 2024年 | ソウルラッシュ | 団野大成 |
| 2023年 | ナミュール | 藤岡康太 |
| 2022年(阪神) | セリフォス | D.レーン |
| 2021年(阪神) | グランアレグリア | C.ルメール |
| 2020年(阪神) | グランアレグリア | C.ルメール |
| 2019年 | インディチャンプ | 池添謙一 |
| 2018年 | ステルヴィオ | W.ビュイック |
| 2017年 | ペルシアンナイト | M.デムーロ |
| 2016年 | ミッキーアイル | 浜中俊 |
この10年では、ペルシアンナイト、ステルヴィオ、セリフォスと3歳馬が3勝を挙げています。
連覇は6頭、レースレコードは1分31秒3
マイルCSを連覇した馬は、第1回・第2回のニホンピロウイナー(1984・1985年)、ダイタクヘリオス(1991・1992年)、タイキシャトル(1997・1998年)、デュランダル(2003・2004年)、ダイワメジャー(2006・2007年)、グランアレグリア(2020・2021年)の6頭です。グランアレグリアは2020年に安田記念、スプリンターズS、マイルCSとGⅠを3連勝し、2021年はマイルCSを引退レースに選んで連覇で締めくくりました。
同じ年に安田記念とマイルCSの両方を勝つ「春秋マイルGⅠ制覇」も名マイラーの証しで、近年では2015年のモーリス、2019年のインディチャンプが達成しています。2025年のジャンタルマンタルは、朝日杯フューチュリティS、NHKマイルC、安田記念に続いてマイルCSを勝ち、牡馬と牝馬が一緒に走る芝マイルGⅠをすべて制しました。
そのジャンタルマンタルの勝ちタイム1分31秒3は、歴代の勝ちタイムの中で最も速いレースレコードです。それまでの最速は、2014年にダノンシャークが記録した1分31秒5でした。
2026年のマイルCS
11月22日、京都芝1600mで第43回
2026年の第43回マイルCSは、11月22日に京都競馬場の芝1600m(外回り)で行われます。前哨戦では、スワンSをハナ差で制した3歳馬ダイヤモンドノットと、富士Sで12番人気から復活したシュガークンが、それぞれ優先出走権を手にしました。さらに、桜花賞馬スターアニスもマイルCSへ向かうことが発表されています。出走馬や鞍上は今後の発表を待つことになります。
押さえておきたいポイント
- マイルCSは1984年、グレード制の導入とともに創設された秋のマイル王決定戦
- 舞台の京都芝1600m(外回り)は3コーナーの坂と下りがカギ、直線は平坦
- 連覇は6頭、レースレコードは2025年ジャンタルマンタルの1分31秒3
- 2026年は11月22日、京都芝1600mで第43回が行われる
ほかのG1・三冠・サマーシリーズの解説は、JRAのG1・シリーズ解説まとめから一覧で読めます。
管理人のひとこと
マイルCSの歴代勝ち馬を眺めていると、タイキシャトルやデュランダル、グランアレグリアなど、それぞれの時代を彩った名マイラーの名前がずらりと並んでいて、それだけでワクワクしてしまいます。3コーナーの坂を越えて一気に加速していく京都外回りのマイル戦は、何度見ても胸が高鳴る舞台です。今年はどんな馬がこの歴史に名を刻むのか、11月22日を楽しみに待ちたいと思います。
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