キングジョージが「タフなレース」と呼ばれる理由は、その舞台であるアスコット競馬場のコース形態にあります。中山競馬場の4倍ともいわれる高低差、そして直線に潜む長い上り坂。今回は、勝ち馬にどれほどの能力を要求するのか、そのコースの過酷さを解説します。
アスコット競馬場という舞台
右回り一周14ハロンのおむすび型コース
アスコット競馬場は、右回り一周14ハロン(約2800m)のおむすび型をした周回コースです。最後の直線は約500mと長く取られており、末脚の持続力が問われる設計になっています。
芝2390mで争われるキングジョージ
キングジョージは、このコースを使って芝2390m(約12ハロン)で行われます。スタートからゴールまで単純な平坦コースではなく、随所に起伏を含んだ、非常に個性の強いレイアウトです。
高低差20mが生む過酷さ
中山競馬場の4倍という起伏
アスコット競馬場の高低差は約20mにも及びます。日本の競馬場で最も高低差があるとされる中山競馬場の高低差が5.3mであることを考えると、実におよそ4倍の起伏がある計算です。この数字だけでも、いかにタフなコースであるかがうかがえます。
スウィンリーボトムから続く上り坂
コース中盤の「スウィンリーボトム」と呼ばれる低地から、直線入り口にかけては険しい上り坂が続きます。直線に入ってからも残り200mまでは緩やかな上り坂が続き、平坦になるのは最後の1ハロンのみ。ゴールまで気の抜けない造りとなっています。
求められる能力とは
持久力とスタミナが問われる直線
坂を上りながらのロングスパートを強いられるため、瞬発力だけでは押し切れません。スタミナと持久力を兼ね備えた馬でなければ、最後まで脚色を保つことは難しいコースといえます。
過去の名馬たちが証明してきたもの
ミルリーフやダンシングブレーヴ、ガリレオ、エネイブルなど、キングジョージを制した馬たちは、いずれも欧州競馬史にその名を刻む名馬ばかりです。この舞台を勝ち切ることこそが、一流馬の証とされてきました。
管理人のひとこと
日本の競馬場に慣れた目で見ると、アスコットの起伏はにわかには信じがたいほどです。中山の坂でさえ苦労する馬がいる中、その4倍の高低差を乗り越えてなお脚を使い切らねばならないというのですから、これはもう別次元の要求といえるでしょう。かつてエネイブルが見せた圧巻の坂上りの脚は、まさにこのコースの申し子のような強さでした。日本馬たちがこの試練の舞台でどんな走りを見せてくれるのか、コースの成り立ちを知った上で見ると、レースの見え方もまた変わってくるはずです。
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