BCスプリント2026は、現地10月31日(日本時間11月1日午前4時42分発走予定)に米ケンタッキー州のキーンランド競馬場で行われるダート1200メートルのG1です。日本からはアメリカンステージ(6番、O.マーフィー騎手)とテーオーエルビス(11番、坂井瑠星騎手)の2頭が出走し、主催者の想定オッズでは3歳馬イングリッシュマンが抜けた1番人気、テーオーエルビスが2番手評価と、日本馬初制覇への期待が高まる一戦です。
【結果】テーオーエルビスがBCスプリント制覇 日本調教馬初V、アメリカンステージ12着
BCスプリント2026の概要
BCスプリントはダート1200mの短距離王決定戦
ブリーダーズカップ(BC)は、米国の競馬シーズンを締めくくる2日間の祭典です。BCスプリントはその中で行われるダート6ハロン(約1200メートル)のG1(最高格のレース)で、3歳以上の牡馬・牝馬が出走できます。負担重量は年齢に応じて決まる「定量」で、出走頭数の上限は14頭です。今年の総賞金は200万ドルです。
今年の舞台はケンタッキー州レキシントンのキーンランド競馬場です。米国の競馬場は日本の東京競馬場などと同じ左回りで、1200メートル戦はスタートから一気にスピードを競う展開になりやすいのが特徴です。キーンランドでBCスプリントが行われるのは2015年、2020年以来となります。
BCスプリント2026のレース情報
| 格付け | G1 |
| 距離・馬場 | ダート6ハロン(約1200メートル) |
| 競馬場 | キーンランド競馬場(米ケンタッキー州) |
| 出走条件 | 3歳以上(牡馬・牝馬)、定量 |
| 総賞金 | 200万ドル |
| 発走予定 | 現地10月31日15時42分(日本時間11月1日午前4時42分) |
| 出走頭数 | 13頭 |
歴史と過去の勝ち馬
1984年創設、連覇は3頭だけ
BCスプリントは、ブリーダーズカップが始まった1984年に創設されました。毎年開催地を変えながら行われ、米国の短距離路線の頂点に位置づけられています。これまでに連覇を果たしたのはミッドナイトルート(Midnight Lute、2007・2008年)、ロイエイチ(Roy H、2017・2018年)、エリートパワー(Elite Power、2022・2023年)の3頭だけです。
騎手ではI.オルティス・ジュニア騎手が2020年以降に4勝を挙げ、C.ナカタニ騎手と並ぶ最多勝タイの記録を持っています。調教師ではB.バファート調教師の5勝が最多です。
BCスプリント 過去10年の勝ち馬
| 年 | 勝ち馬 | 騎手 |
| 2025年 | ベントルナート(Bentornato) | I.オルティス・ジュニア |
| 2024年 | ストレートノーチェイサー(Straight No Chaser) | J.ヴェラスケス |
| 2023年 | エリートパワー | I.オルティス・ジュニア |
| 2022年 | エリートパワー | I.オルティス・ジュニア |
| 2021年 | アロハウェスト(Aloha West) | J.オルティス |
| 2020年 | ホイットモア(Whitmore) | I.オルティス・ジュニア |
| 2019年 | ミトール(Mitole) | R.サンタナ・ジュニア |
| 2018年 | ロイエイチ | P.ロペス |
| 2017年 | ロイエイチ | K.デザーモ |
| 2016年 | ドレフォン(Drefong) | M.ガルシア |
BCスプリントでの日本馬の挑戦
日本馬にとってBCスプリントは、まだ勝利のないレースです。これまでの最高着順は、昨年(2025年)のアメリカンステージの4着です。今年はそのアメリカンステージが再挑戦し、春に米国の短距離G1を勝ったテーオーエルビスも加わって、日本馬による初制覇がかかります。
出走馬と有力馬
BCスプリント2026の出走馬一覧
| 枠番 | 馬名 | 騎手 | モーニングライン |
| 1 | マッドハウス(Mad House) | P.ロペス | 30-1 |
| 2 | ダークサフロン(Dark Saffron) | C.ビーズリー | 20-1 |
| 3 | リアムスミス(Liam Smith) | M.フランコ | 20-1 |
| 4 | ヒム(Hymn) | R.ベハラーノ※ | 15-1 |
| 5 | リッスンアップシャンス(Listenupshance) | E.ハラミーヨ | 12-1 |
| 6 | アメリカンステージ | O.マーフィー | 30-1 |
| 7 | ビルト(Built) | L.サエズ | 10-1 |
| 8 | リトルサンダー(Little Thunder) | J.ヴェラスケス | 30-1 |
| 9 | ナカトミ(Nakatomi) | T.ガファリオーネ | 12-1 |
| 10 | ロールオンビッグジョー(Roll On Big Joe) | J.ルパルー | 30-1 |
| 11 | テーオーエルビス | 坂井瑠星 | 7-2 |
| 12 | ストラダーレ(Stradale) | F.プラット | 20-1 |
| 13 | イングリッシュマン(Englishman) | J.オルティス | 4-5 |
モーニングラインは主催者がレース前に示す想定オッズです。米国式の表記で、たとえば「7-2」は100円が約450円、「4-5」は約180円になる目安を表します。取消馬は確認できた時点でいません。※ヒムの騎手は、主催者サイトの表記です。枠順確定時の報道ではR.サンタナ・ジュニア騎手と伝えられていました。
1番人気イングリッシュマンは快速の3歳馬
イングリッシュマン(牡3歳、C.ドゥヴォー厩舎)は、デビューから5戦4勝。今年は6月のウッディスティーヴンスS、8月のH.アレンジャーケンズ記念Sと7ハロンのG1を2連勝しました。敗れたのは1マイル戦のパットデイマイルS(2着)だけで、スタートから一気に先頭に立つスピードが最大の武器です。普段からキーンランドを拠点にしており、地元での一戦になります。
G1馬リッスンアップシャンス、地元のナカトミとビルト
リッスンアップシャンス(せん4歳、D.オニール厩舎)は、7月のビングクロスビーS(G1)と9月のサンタアニタスプリントチャンピオンシップ(G2)を連勝した西海岸の実力馬です。前走はスタート直後にハナ(先頭)を奪って押し切りました。
ナカトミ(せん7歳、W.ウォード厩舎)は、10月2日にキーンランドの前哨戦フェニックスS(G2)を2年連続で制しました。BCスプリントは4年連続の出走で、2023年には3着に入っています。ビルト(牡4歳、W.カタラーノ厩舎)は7月のアルフレッドG.ヴァンダービルトS(G2)を勝って出走権を得ました。2歳時にキーンランドで初勝利を挙げており、調教師は2021年にアロハウェストでこのレースを制しています。8月のフォアゴーS(G1)を勝ったヒム(せん4歳、R.モケット厩舎)も上位候補の1頭です。
日本馬の顔ぶれ
テーオーエルビスは米G1馬として挑む
テーオーエルビス(牡4歳、栗東・高柳大輔厩舎、父ヴォラタイル)は、米国ケンタッキー州生まれの馬です。昨年12月のカペラS(G3)など国内で白星を重ね、5月2日の米G1チャーチルダウンズS(7ハロン)で5連勝を達成しました。日本調教馬が米国のダート短距離G1を勝ったのは初めてで、通算成績は9戦6勝です。今年はこの1戦だけで、約半年ぶりの実戦になります。
高柳大輔調教師は「このレースを最大の目標に」と話し、前走も休み明けで勝てたことから、間隔が空いても対応できる手応えを感じています。追い切りについても「とても良く見えた」と評価しました。詳しい挑戦の背景はテーオーエルビスと高柳大輔調教師のBCスプリント挑戦の記事で紹介しています。
アメリカンステージは昨年4着からの再挑戦
アメリカンステージ(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎、父イントゥミスチーフ)も米国生まれで、2023年にキーンランドのセリで購入された馬です。昨年のBCスプリントでは日本馬最高の4着に入りました。今年は7戦して未勝利ですが、9月の韓国のコリアスプリント(G3)で2着、5月の韋駄天Sでも2着と上位争いを続けています。当初は芝のBCターフスプリントにも登録していましたが、ダートのこちらを選びました。
矢作芳人調教師は、最終追い切りで前半から行きたがる様子を見せたものの「スプリントならあれでいい」と受け止めています。鞍上のマーフィー騎手には「うまく立ち回ってくれたら」と伝えているそうです。
展開の見通し
BCスプリントはイングリッシュマンが主導権を握る流れか
先手を取りそうなのは、大外13番のイングリッシュマンです。これまでのレースでスタート直後に先頭へ立つ形が多く、今回も外から一気にハナを奪いにいくと見られます。前走で逃げ切った5番のリッスンアップシャンスも前へ行く可能性があり、序盤からペースが速くなりそうです。
テーオーエルビスの陣営は「2つ外側にイングリッシュマンがいるので、見ながら運べたら」と話しており、1番人気を視界に入れて進める形になりそうです。6番のアメリカンステージは馬群の中ほどの枠で、周りの出方を見ながらうまく位置を取れるかが鍵になると見られます。
馬券発売と視聴
JRAはBCスプリントを8Rとして発売
JRAはBCスプリントを「8R」として馬券を発売します。発走予定は日本時間11月1日午前4時42分です。インターネット投票(即PAT・A-PAT)などで購入でき、オッズはJRA独自のものになります。日本馬8頭の枠順や鞍上、ほかのBC競走の発走時刻はブリーダーズC2026日本馬8頭の枠順と鞍上まとめで一覧にしています。BCターフスプリントの発売が取りやめになった経緯はBCターフスプリント2026の馬券発売取りやめの記事をご覧ください。
G1の前後は「グリーンチャンネル」がもっと楽しい
レース中継はJRAの無料ネット配信でも見られるようになりましたが、調教の様子や陣営の声を伝える展望番組、レース後の回顧、地方・海外競馬の中継まで楽しめるのが競馬専門チャンネル「グリーンチャンネル」です。テレビの大画面で週末の大一番をじっくり味わいたい方は、スカパー!で視聴方法を確認してみてください。
管理人のひとこと
米国でG1を勝ったテーオーエルビスと、昨年4着の悔しさを知るアメリカンステージ。2頭とも米国生まれというのも、このレースらしい巡り合わせですね。快速のイングリッシュマンは手ごわい相手ですが、日本の短距離ダート馬が世界の舞台で堂々と戦う姿を見られるだけで胸が熱くなります。11月1日の早朝、2頭が無事にゴールまで駆け抜けてくれることを願って応援します。
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