天皇賞(春)とは?平地最長のG1、歴史と京都芝3200mの特徴と名馬の記録を解説

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天皇賞(春)は、毎年春に京都競馬場の芝3200mで行われる4歳以上のG1で、JRAの平地G1では最も長い距離を走る「長距離王決定戦」です。1905年のエンペラーズカップを起源とする歴史、2度の坂越えがある京都芝3200mの特徴、過去10年の勝ち馬と記録までを解説します。

天皇賞(春)とは

古馬の長距離王を決めるG1「天皇賞(春)」

天皇賞(春)に出走できるのは4歳以上の馬で、負担重量は年齢と性別で決まる「定量」(牡馬・せん馬は58kg)です。天皇賞は古くから「古馬(4歳以上の馬)にとって最高の栄誉」とされてきたレースで、春は長距離、秋は中距離と、同じ名前でも求められる能力が大きく違います。

前哨戦のうち、阪神大賞典(GII)と日経賞(GII)の1着馬には優先出走権が与えられます。そのほか、前年の有馬記念やダイヤモンドSなどから参戦する馬も多く、2026年は大阪杯を勝った馬がそのまま長距離に挑んで結果を出しました。

天皇賞(春)の基本データ

起源 1905年のエンペラーズカップ
第1回 1937年秋の帝室御賞典(春秋通算で回数を数える)
条件 4歳以上オープン・国際・定量
コース 京都競馬場・芝3200m(外回り・右回り)
2026年 5月3日(日)・第173回

歴史と名前の由来

明治天皇の下賜品から始まった歴史

天皇賞の起源は、1905年5月6日に横浜の日本レースクラブが、明治天皇から下賜された銀製の花盛器を懸けて行った「エンペラーズカップ」です。その後、各地の競馬倶楽部で「帝室御賞典競走」が行われるようになりましたが、条件はばらばらでした。1937年に競馬倶楽部が日本競馬会にまとめられたのを機に、春は阪神、秋は東京の年2回という形が定まり、1937年秋のレースが第1回とされています。

1938年秋からは3200mで行われるようになり、戦後の1947年秋に名前が「天皇賞」に変わって、春は京都での開催となりました。1984年に秋の天皇賞が2000mへ短縮されてからは、春の競走に「(春)」を付けて表記しています。秋の天皇賞の歴史は天皇賞(秋)とは?創設から東京芝2000mの特徴、歴代レコードまで基本を解説で紹介しています。

勝ち抜き制の廃止と門戸の開放

かつての天皇賞は、一度勝った馬は二度と出走できない「勝ち抜き制」でした。1981年からは過去の優勝馬も出走できるようになり、連覇という記録が生まれる土台ができます。その後、2000年から外国産馬、2005年から外国調教馬(国際競走化)、2008年からせん馬(去勢された牡馬)にも出走が認められ、名実ともに日本一のステイヤー(長距離を得意とする馬)を決めるレースになりました。

京都芝3200mの特徴

3コーナーの坂を2度越える長丁場

スタートは向正面の半ばで、外回りコースを1周半あまり走ります。京都競馬場は3コーナー付近に「小高い丘」のような坂があり、外回りの高低差は4.3m。天皇賞(春)ではこの坂を2回越えることになります。1周目は先が長いため、坂を「ゆっくり上ってゆっくり下る」のがセオリーとされ、坂を下った勢いのまま大歓声のスタンド前に入る場面で、折り合い(騎手の指示に従って落ち着いて走ること)を保てるかが大切です。

勝負どころは2度目の坂の下りあたりから。そこからゴールまでの約800mは全力の攻防が続き、直線はほぼ平坦なため、長距離戦でも最後は速い上がりの決め手が必要になります。

スタート地点 向正面の半ば(外回り)
坂 3コーナー付近、外回りの高低差4.3m。レース中に2回越える
最後の直線 403.7m(Aコース時)、ほぼ平坦
2021・2022年 京都競馬場の改修工事のため阪神芝3200mで実施

過去10年の勝ち馬と記録

天皇賞(春)過去10年の勝ち馬

年 勝ち馬 騎手 タイム
2026年 クロワデュノール 北村友一 3分13秒7
2025年 ヘデントール D.レーン 3分14秒0
2024年 テーオーロイヤル 菱田裕二 3分14秒2
2023年 ジャスティンパレス C.ルメール 3分16秒1
2022年 タイトルホルダー 横山和生 3分16秒2
2021年 ワールドプレミア 福永祐一 3分14秒7
2020年 フィエールマン C.ルメール 3分16秒5
2019年 フィエールマン C.ルメール 3分15秒0
2018年 レインボーライン 岩田康誠 3分16秒2
2017年 キタサンブラック 武豊 3分12秒5

2021年と2022年は阪神競馬場での開催です。この10年ではC.ルメール騎手が3勝を挙げています。

連覇の名馬とレースレコード

勝ち抜き制がなくなってからは、メジロマックイーン(1991・1992年)、テイエムオペラオー(2000・2001年)、フェノーメノ(2013・2014年)、キタサンブラック(2016・2017年)、フィエールマン(2019・2020年)の5頭が連覇を達成しています。騎手では武豊騎手が、イナリワン、スーパークリーク、メジロマックイーン(2勝)、スペシャルウィーク、ディープインパクト、キタサンブラック(2勝)で通算8勝を挙げています。

タイムでは、2006年にディープインパクトが3分13秒4のレコードで勝ち、2017年にはキタサンブラックが3分12秒5へと記録を縮めました。この3分12秒5が現在のレースレコードです。

2026年の天皇賞(春)

クロワデュノールがハナ差の接戦を制す

2026年の第173回は5月3日に京都競馬場で行われ、北村友一騎手のクロワデュノールが3分13秒7で優勝しました。2着ヴェルテンベルクとはハナ差という大接戦で、3着はアドマイヤテラでした。クロワデュノールは大阪杯に続くG1連勝となり、続く宝塚記念での挑戦は【宝塚記念】クロワデュノールがクビ差2着 春古馬三冠ならずで振り返っています。

押さえておきたいポイント

  • 天皇賞(春)は京都芝3200mで行われる、JRA平地G1で最長距離のレース
  • 起源は1905年のエンペラーズカップ、1947年秋に「天皇賞」へ改称
  • 3コーナーの坂を2回越え、折り合いとスタミナ、最後の決め手が問われる
  • レコードは2017年キタサンブラックの3分12秒5、2026年はクロワデュノールが優勝

ほかのG1・三冠・サマーシリーズの解説は、JRAのG1・シリーズ解説まとめから一覧で読めます。

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管理人のひとこと

3200mという長い距離を、騎手と馬が呼吸を合わせて走り切る天皇賞(春)には、スピード勝負のレースとは違う味わいがあります。1周目のスタンド前でじっと我慢し、2度目の坂から一気に動き出す展開は、何度見ても手に汗握ります。100年以上続く歴史に、これからどんなステイヤーが名前を刻むのか楽しみです。

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