【柴田善臣引退】G1・9勝の軌跡——42年、現役最年長ジョッキーが刻んだ記録

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42年、現役最年長ジョッキーが刻んだG1・9勝の軌跡

2026年9月15日、JRAは現役最年長だった柴田善臣騎手(60・美浦)の引退を発表しました。1985年のデビューから42年、JRA通算2341勝(歴代6位)、重賞96勝、そしてG1級は9勝という記録を打ち立てた名手です。ここでは、そのG1・9勝の軌跡を振り返ります。

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柴田善臣騎手 G1勝利の記録

レース 馬名
1993年 安田記念 ヤマニンゼファー(G1初制覇)
1993年 天皇賞・秋 ヤマニンゼファー
1996年 NHKマイルC(第1回) タイキフォーチュン
1998年 天皇賞・秋 オフサイドトラップ
2000年 高松宮記念 キングヘイロー
2006年 高松宮記念 オレハマッテルゼ
2010年 宝塚記念 ナカヤマフェスタ
2012年 エリザベス女王杯 レインボーダリア
2014年 安田記念 ジャスタウェイ

「ゴールまでが本当に長かった」——G1初制覇の安田記念

柴田善臣騎手にとって記念すべきG1初勝利は、1993年の安田記念。ヤマニンゼファーとのコンビで頂点に立ちました。柴田善臣騎手はレース後、「ゴールまでが本当に長かった」と振り返っています。同年秋には同じヤマニンゼファーで天皇賞・秋も制し、いきなりG1を2勝するという鮮烈なスタートを切りました。

東京競馬場以外での初制覇——2000年高松宮記念

2000年の高松宮記念ではキングヘイローとのコンビでG1・5勝目。これは東京競馬場以外の競馬場での初めてのJRA・G1勝利でした。「気分を損なわないように」という柴田善臣騎手らしい言葉とともに、馬の気持ちに寄り添う手綱さばきが光った一戦でした。

丸6年ぶりの栄冠——2006年高松宮記念オレハマッテルゼ

G1・6勝目も同じ高松宮記念、しかも人気まで4番人気と前回のキングヘイローと同じという不思議な巡り合わせでした。オレハマッテルゼの末脚の甘さを見抜き、「距離が短い方がいい」と1200mのG1参戦を進言。この判断が的中し、ラインクラフトとの一騎打ちを首差で制しました。

「忘れた頃に…」——2010年宝塚記念ナカヤマフェスタ

前回のG1制覇から4年3カ月というブランクを経て掴んだのが、2010年宝塚記念でのナカヤマフェスタとのG1・7勝目。柴田善臣騎手は「忘れた頃に…」と、待ち続けた末の勝利の重みを語っています。

雨中の追い込み劇——2012年エリザベス女王杯レインボーダリア

2012年のエリザベス女王杯では、7番人気のレインボーダリアで1番人気ヴィルシーナとの叩き合いを制し、G1・8勝目。柴田善臣騎手にとっても二ノ宮敬宇調教師にとっても、同レース初勝利となりました。

9センチ差の代役V——2014年安田記念ジャスタウェイ

そして42年の集大成ともいえるのが、2014年安田記念でのジャスタウェイとのG1・9勝目。福永祐一騎手の騎乗停止に伴う代役騎乗でしたが、須貝尚介調教師とは競馬学校の同期という縁もありました。ゴール前の叩き合いをわずか9センチ差で制し、「完璧な走りだった」と胸を張っています。これが柴田善臣騎手、最後のG1勝利となりました。

重賞96勝を支えた「継続」の力

柴田善臣騎手が最も多く勝った重賞は、目黒記念・中山記念・フローラCで、いずれも4勝。特定のレースに何度も選ばれ続けたこと自体が、馬主・調教師からの厚い信頼の証といえます。また、重賞を最も多く一緒に勝った馬はワシントンカラーで、こちらも4勝。地道に信頼を積み重ねてきたキャリアがうかがえます。

競馬学校1期生、そして騎手会長として

柴田善臣騎手は競馬学校1期生として1985年にデビュー。同期には石橋守調教師や岩戸孝樹調教師らがいます。また、伯父である柴田政人元騎手の後を継いで日本騎手クラブの会長職を6年間務め、のちに武豊騎手にバトンを渡すなど、騎手会の中心的な存在としても活躍してきました。

還暦での騎乗という夢、そして新たな一歩

今年、デビュー42年目を迎えた柴田善臣騎手は3勝を挙げていましたが、4月に右肩を負傷。懸命なリハビリを続けたものの現役復帰はかなわず、目標としていた「還暦での騎乗」を実現しないままの引退となりました。9月16日には記者会見、11月1日には東京競馬場で引退式が予定されており、引退後はJRAアドバイザーに就任する見込みです。

管理人のひとこと

G1・9勝という数字を改めて並べてみると、そのすべてに物語があることに気づかされます。ヤマニンゼファーでの鮮烈なデビュー勝利から、ジャスタウェイでの9センチ差の代役Vまで、柴田善臣騎手は常に「その時の馬の気持ち」に寄り添ってきた騎手だったように思います。高松宮記念での距離短縮の進言や、ジャスタウェイとの縁など、数字の裏にある人と人とのつながりも印象的です。42年間、本当にお疲れさまでした。そして、たくさんの名勝負をありがとうございました。

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