【仔馬不適切動画】JRAが騒動についてコメント。「力での屈服」を否定も、直接指導できない”競馬界の構造”とは

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連日SNS等で大きな波紋を呼んでいる、生産牧場(北海道・日高町の有限会社浜本牧場)における仔馬への不適切な扱い(暴力・虐待疑惑)をめぐる騒動。

「なぜJRAは該当の牧場を厳罰に処さないのか?」

「早く指導に入るべきだ」

ネット上では競馬の主催者であるJRA(日本中央競馬会)の対応を求める声が殺到していましたが、3月17日、ついにJRAがメディアの取材に対し公式にコメントを発表しました。

今回は、このJRAのコメントから読み解く「競馬界の構造的な現実」と、「若馬の育成に対するJRAの明確なスタンス」について解説します。


なぜJRAは「直接指導」ができないのか?

今回の取材に対し、JRAは該当の事案に関する個別のコメントを避けた上で、以下のように回答しています。

「各牧場はそれぞれが独立した事業主であり、JRAが直接指導する立場にはありません」

この回答を見て、「無責任だ」「逃げている」と感じた方もいるかもしれません。しかし、これは決して逃げ口上ではなく、日本の競馬産業における構造上の「事実」なのです。

JRAはあくまで「中央競馬というレースを主催・運営する団体」であり、馬主から馬を預かってレースに出走させる「厩舎(調教師や騎手)」に対しては強い権限を持っています。

しかし、馬が産まれ育つ「生産牧場」は、それぞれが完全に独立した民間企業(事業主)です。JRAの系列会社でも下請けでもないため、JRAが法的・行政的な権限を持って「あの牧場に立ち入り調査をする」「営業停止処分を下す」といった直接的な介入を行うことは、システム上不可能なのです。

もし法律(動物愛護法など)に触れる問題があれば、指導や摘発を行う権限を持っているのはJRAではなく、地元自治体(保健所)や警察といった「行政機関」になります。

それでもJRAが示した「力で屈服させるのではない」という強いメッセージ

直接的な指導権限を持たないJRAですが、決してこの事態を容認しているわけではありません。 JRAは自らが定める「JRA育成牧場管理指針」を引き合いに出し、若馬の育成について以下のように明言しました。

「『人馬の安全性を確保するため、人がリーダーである』と教えるしつけは大切です」 「その大前提は、人が安心できる存在であると理解させ、人馬の信頼関係を築くことにあります。力で屈服させるのではなく、要求を理解させ、従順になるよう教育することが重要です」

牧場名を名指しすることこそ避けていますが、「力で屈服させる育成」を明確に否定したこのコメントは、現在の騒動に対するJRAからの非常に強いメッセージと言えます。

馬を扱う上で危険が伴うため「人がリーダーであると教える厳しさ」は必要です。

しかし、それと「暴力や恐怖で支配すること」は全くの別物であり、大前提として必要なのは「人馬の信頼関係」である。 これは、前回の記事でご紹介した現役の調教師や生産者たちがあげていた声と全く同じ、競馬界における正しい共通認識です。

まとめ:私たちが今、向けるべき矛先はどこか

今回のJRAの発表により、以下の2つが明確になりました。

  1. JRAは生産牧場を直接指導・処分する権限を持っていないこと
  2. JRAも「力で屈服させること(暴力)」は正しい育成ではないと考えていること

私たち競馬ファンは、怒りのあまり「JRAは何をやっているんだ!」とJRAの公式アカウントや窓口にクレームを入れてしまいがちですが、それは「管轄外の窓口に怒鳴り込んでいる」のと同じであり、仔馬を救うことには繋がりません。

不適切な飼育環境や虐待の疑いに対して、本当に法的な指導力を持っているのは「行政(所管の保健所・動物愛護センター)」や「警察」です。

JRAや関係のない競馬関係者へ感情的なバッシングを行うのではなく、事実関係の解明と適切な対応を「正しい機関」へ冷静に求めていくこと。それが、馬を愛する私たちが今できる、最も誠実な行動ではないでしょうか。

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