NHKマイルC(NHKマイルカップ)は、毎年5月に東京競馬場の芝1600mで行われる、3歳馬によるマイル王決定戦のG1です。1996年の創設から30年、短距離・マイル路線の3歳馬にとって春の大目標になっています。創設の経緯、トライアルと優先出走権、東京芝1600mの特徴、過去10年の勝ち馬と記録をまとめました。
NHKマイルCとは
3歳マイル王を決めるG1「NHKマイルC」
NHKマイルCに出走できるのは3歳の牡馬と牝馬で、負担重量は「馬齢」(同じ年齢なら同じ重さで、牝馬は少し軽い)です。牡馬は57kg、牝馬は55kgで走ります。開催時期は皐月賞と日本ダービーのちょうど間にあたる5月上旬から中旬で、クラシック路線とは別に、マイル(約1600m)で力を発揮する3歳馬の頂点を決める役割を持っています。
トライアル(本番への出走権をかけた前哨戦)は2つあり、中山のニュージーランドトロフィー(GII)と、阪神のチャーチルダウンズカップ(GIII)で、それぞれ3着以内に入った馬に優先出走権が与えられます。チャーチルダウンズカップは2024年まで「アーリントンカップ」という名前でした。そのほか、シンザン記念やファルコンSなども主なステップレースです。
NHKマイルCの基本データ
| 創設 | 1996年(前身はダービートライアルのNHK杯) |
| 格付け | 創設時からG1、2009年から国際競走 |
| 条件 | 3歳オープン(牡・牝)・馬齢 |
| コース | 東京競馬場・芝1600m(左回り) |
| 2026年 | 5月10日(日)・第31回 |
創設の経緯と歴史
マイラーと外国産馬に春の大舞台を
以前の3歳戦線は、クラシック(皐月賞・日本ダービー・菊花賞)を勝つことが最高の栄誉とされていました。そのため、本来は短い距離が得意な馬が、距離の合わないクラシックに挑んで力を出し切れないこともありました。また、当時は外国産馬にクラシックへの出走資格がなく、こうした馬たちの春の目標になるG1がなかったことも課題でした。
世界的に競馬のスピード化が進み、短い距離の実績も重視されるようになったことを背景に、1995年までダービートライアルとして行われていたNHK杯を前身として、1996年にNHKマイルCが誕生しました。同じ年には3歳馬の短距離の競走体系も整えられています。レース名のNHKは日本放送協会のことで、同協会から寄贈賞を受けて行われています。
クラシック路線の詳しい流れは日本ダービー(東京優駿)とは?ホースマンの夢の舞台、歴史と東京芝2400mの特徴を解説もあわせてご覧ください。
東京芝1600mの特徴
下りのスタートから長い直線へ
スタート地点は2コーナー付近です。スタート直後はゆるやかな下りになっていて、各馬がスピードに乗りやすいのが特徴です。向正面の後半にある坂を上り終えると再び下りになり、3コーナーへ。3〜4コーナーのカーブはゆったりしているため、ペースがあまり緩まないまま直線に向かいます。
最後の直線は525.9mと長く、直線の前半には長さ160m、高低差2mの坂があります。坂を上り切ってからもゴールまで約300mあるため、速いペースを追いかけるスピードと、最後に伸びる瞬発力の両方が求められます。マイラーとしての総合力が試されるコースです。
| スタート地点 | 2コーナー付近、直後はゆるやかな下り |
| 最後の直線 | 525.9m |
| 直線の坂 | 長さ160m・高低差2m、上り切ってからゴールまで約300m |
| コースの性格 | カーブがゆったりしていて紛れが少なく、能力が出やすい |
過去10年の勝ち馬と記録
NHKマイルC過去10年の勝ち馬
| 年 | 勝ち馬 | 騎手 | タイム |
| 2026年 | ロデオドライブ | D.レーン | 1分31秒5 |
| 2025年 | パンジャタワー | 松山弘平 | 1分31秒7 |
| 2024年 | ジャンタルマンタル | 川田将雅 | 1分32秒4 |
| 2023年 | シャンパンカラー | 内田博幸 | 1分33秒8 |
| 2022年 | ダノンスコーピオン | 川田将雅 | 1分32秒3 |
| 2021年 | シュネルマイスター | C.ルメール | 1分31秒6 |
| 2020年 | ラウダシオン | M.デムーロ | 1分32秒5 |
| 2019年 | アドマイヤマーズ | M.デムーロ | 1分32秒4 |
| 2018年 | ケイアイノーテック | 藤岡佑介 | 1分32秒8 |
| 2017年 | アエロリット | 横山典弘 | 1分32秒3 |
この10年では川田将雅騎手とM.デムーロ騎手が2勝ずつを挙げています。
レースレコードと歴代の名馬
レースレコードは、2010年にダノンシャンティが記録した1分31秒4です。2026年のロデオドライブは1分31秒5で、レコードにわずか0秒1及びませんでした。
歴代の勝ち馬には、エルコンドルパサー(1998年)やクロフネ(2001年)などの名前も並びます。キングカメハメハ(2004年)とディープスカイ(2008年)は、ここを勝ったあと日本ダービーも制しました。また、2016年のメジャーエンブレム、2017年のアエロリットのように、牝馬が牡馬を相手に勝った年もあります。
2026年のNHKマイルC
ロデオドライブがハナ差の激戦を制す
2026年の第31回は5月10日に行われ、D.レーン騎手のロデオドライブが1分31秒5で優勝しました。2着アスクイキゴミとはハナ差の接戦で、3着はアドマイヤクワッズでした。ロデオドライブはその後、夏の新潟記念で2着に入っています。最近の様子はロデオドライブ、繋靱帯炎症は軽度と判明 秋G1へ望みつなぐで紹介しています。秋にマイル王を決めるレースについてはマイルCSとは?秋のマイル王決定戦の歴史と京都芝1600mの特徴、名マイラーを解説でまとめています。
押さえておきたいポイント
- NHKマイルCは1996年創設、東京芝1600mで行われる3歳マイル王決定戦
- ニュージーランドトロフィーとチャーチルダウンズカップの3着以内に優先出走権
- 下りのスタートと525.9mの直線で、スピードと瞬発力の両方が問われる
- レコードは2010年ダノンシャンティの1分31秒4、2026年はロデオドライブが優勝
ほかのG1・三冠・サマーシリーズの解説は、JRAのG1・シリーズ解説まとめから一覧で読めます。
管理人のひとこと
クラシックとは違う道を選んだ3歳馬たちが、東京の長い直線で真っ向勝負するのがNHKマイルCの魅力だと思います。ここを勝った馬が古馬になってマイル路線を引っ張ったり、ダービーまで勝ったりと、その後の物語が広がっていくのも楽しいところです。来年はどんな若きマイラーが現れるのか、今から楽しみです。
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