エリザベス女王杯は、3歳以上の牝馬だけが出走できる秋のG1で、その年の「女王」を決める一戦です。2026年は11月15日に京都競馬場の芝2200m(外回り)で第51回が行われます。前身のビクトリアカップから続く歴史、舞台となるコースの特徴、過去10年の勝ち馬と主な記録を、初めての方にもわかるように整理します。
エリザベス女王杯とは
3歳馬と古馬の牝馬が集う秋の大一番
エリザベス女王杯は、JRAが秋に行う牝馬限定のG1です。出走できるのは3歳以上の牝馬で、斤量は定量(年齢と性別だけで決まる負担重量)です。春の桜花賞・オークスや秋華賞を戦ってきた3歳馬と、経験を重ねた4歳以上の古馬が同じ舞台で顔を合わせるため、秋の牝馬路線の頂点と位置づけられています。
外国産馬・外国馬にも開かれた国際競走
netkeibaのデータベースを見ると、1990年代後半のレース条件は外国産馬が出走できる「混合」で、1999年からは海外で調教された馬も参戦できる「国際」競走になっています。実際に2010年と2011年には、海外の厩舎に所属するスノーフェアリー(ムーア騎手)が来日して連覇を果たしました。
歴史と名前の由来
前身はビクトリアカップ、1976年に第1回
JRAによると、エリザベス女王杯の前身は、1970年に3歳牝馬三冠の最終戦として創設された「ビクトリアカップ」です。1975年に英国のエリザベス女王が来日したことを記念し、翌1976年に「エリザベス女王杯」として新たに第1回が行われました。第1回の舞台は京都の芝2400mで、勝ったのはディアマンテです。1984年からはG1として行われています。
1996年に古馬へ開放、距離は2200mへ
1995年までは3歳牝馬による芝2400mのレースで、メジロラモーヌ(1986年)やヒシアマゾン(1994年)といった名牝も勝ち馬に名を連ねています。1996年に牝馬の競走体系が見直され、3歳以上の牝馬が出走する芝2200mのG1に生まれ変わりました。同じ年に芝2000mの秋華賞が新設され、3歳牝馬三冠の最終戦の役割はそちらに移っています。
開催は基本的に京都ですが、1979年と、京都競馬場の改修工事が行われていた2020年から2022年までの3回は、阪神の芝2200m(内回り)が舞台でした。2023年からは再び京都に戻っています。
エリザベス女王杯の歴史を整理
| 1970年 | 前身のビクトリアカップ創設(3歳牝馬・京都芝2400m) |
| 1976年 | エリザベス女王杯として第1回(勝ち馬ディアマンテ) |
| 1996年 | 3歳以上の牝馬・芝2200mに変更、秋華賞が新設 |
| 1999年 | 国際競走となり外国馬も出走可能に |
| 2020〜2022年 | 京都競馬場の改修に伴い阪神芝2200mで開催 |
京都芝2200mの特徴
コースの基本データ
| コース | 京都競馬場 芝・外回り(右回り) |
| 外回り1周 | 1,894.3m |
| 最後の直線 | 403.7m(Aコース使用時)、398.7m(Bコース使用時) |
| 高低差 | 4.3m(外回り) |
| 名物 | 3コーナーの上り坂と、4コーナーへ向かう下り坂 |
スタートはスタンド前の直線で、最初の1コーナーまで距離があるため、外枠の馬でも位置を取りやすいとされます。向正面の半ばから3コーナーにかけて上り、そこから4コーナーへ一気に下るのが京都の特徴です。この下り坂で勢いをつけて直線に向かうため、瞬発力だけでなく、長く脚を使い続ける持続力も問われやすい舞台です。
過去10年の勝ち馬と記録
エリザベス女王杯 過去10年の勝ち馬
| 年 | 開催 | 勝ち馬 | 騎手 |
| 2025年 | 京都 | レガレイラ | 戸崎圭太 |
| 2024年 | 京都 | スタニングローズ | C.デムーロ |
| 2023年 | 京都 | ブレイディヴェーグ | C.ルメール |
| 2022年 | 阪神 | ジェラルディーナ | C.デムーロ |
| 2021年 | 阪神 | アカイイト | 幸英明 |
| 2020年 | 阪神 | ラッキーライラック | C.ルメール |
| 2019年 | 京都 | ラッキーライラック | C.スミヨン |
| 2018年 | 京都 | リスグラシュー | J.モレイラ |
| 2017年 | 京都 | モズカッチャン | M.デムーロ |
| 2016年 | 京都 | クイーンズリング | M.デムーロ |
この10年で3歳馬が勝ったのは、2017年のモズカッチャンと2023年のブレイディヴェーグの2回です。残る8回は4歳・5歳の古馬が制しており、経験を積んだ馬が強さを見せる傾向がうかがえます。また、外国人騎手の活躍が目立つのもこのレースの特徴です。
連覇した名牝とタイムの記録
2200mになった1996年以降、2勝を挙げたのはメジロドーベル(1998・1999年)、アドマイヤグルーヴ(2003・2004年)、スノーフェアリー(2010・2011年)、ラッキーライラック(2019・2020年)の4頭で、いずれも連覇です。ラッキーライラックは京都と阪神という異なる舞台で続けて勝ちました。騎手では、武豊騎手が2001年のトゥザヴィクトリーから2004年のアドマイヤグルーヴまで4年連続で勝っています。
勝ちタイムを比べると、1996年以降で最も速いのは阪神で行われた2020年ラッキーライラックの2分10秒3です。京都開催に限ると、2025年にレガレイラが記録した2分11秒0が最速となっています。
2026年のエリザベス女王杯
11月15日に京都芝2200mで第51回
2026年の第51回エリザベス女王杯は、11月15日(日)の15時40分に京都競馬場の芝2200mで発走予定です。昨年の覇者レガレイラは、女王杯ではなく天皇賞(秋)へ向かうことが発表されています。登録が見込まれる顔ぶれは、オークス馬ジュウリョクピエロやカムニャックなどを紹介したエリザベス女王杯2026の想定馬21頭の記事でまとめています。
押さえておきたいポイント
- 3歳以上の牝馬が出走する秋の牝馬G1で、2026年は11月15日に京都芝2200mで第51回
- 前身は1970年創設のビクトリアカップ、1975年のエリザベス女王来日を記念して1976年に第1回
- 1996年に3歳以上・芝2200mへ変わり、1999年から国際競走に
- 連覇はメジロドーベル、アドマイヤグルーヴ、スノーフェアリー、ラッキーライラックの4頭
ほかのG1・三冠・サマーシリーズの解説は、JRAのG1・シリーズ解説まとめから一覧で読めます。
管理人のひとこと
ビクトリアカップの時代から数えると半世紀を超える歴史があり、3歳牝馬の大一番から世代を超えた女王決定戦へと姿を変えてきたレースです。京都の坂を下って直線に向かう瞬間は、毎年胸が高鳴ります。昨年の覇者が不在となる今年、どの馬が女王の座に就くのか、11月15日を楽しみに待ちたいと思います。
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