北海道日高町の競走馬生産牧場「有限会社浜本牧場」における仔馬への不適切な扱い(暴力・虐待疑惑)をめぐる騒動について、この数日で関係各所による急速な「動き」がありましたが、本日、事態は極めて決定的な局面を迎えました。
以前から殺処分となる競走馬の保護活動に熱心に取り組んでいるタレントの紗栄子さんが、現地へ駆けつけ、問題の動画に映っていた黒鹿毛の仔馬とその母馬(親子)を、正式に「購入」し保護したと発表しました。
今回は、この特大の続報について、現在判明している事実関係を中立的な視点で整理してお伝えします。
紗栄子さんのコメント全文は長文のため、記事最後に転載しておきます。
コメント全文のあとにはふるさと納税も出来る引退馬支援のリンクを置いておきます。
1. 紗栄子さんによる「親子買い取り」の正式発表
纱栄子さんは自身の公式Instagramを更新し、多くのファンが心配していた「あの仔馬」について、以下のように発表しました。
「今回の件について。動画拡散後、多くの人が心を痛めた。自分も何かできることはないかと考えた。」 「正式な手続きを経て、母馬と仔馬を購入した」 (紗栄子さん公式Instagramより要約)
単に一時的に預かったり、保護したりするのではなく、「正式な手続きを経て購入」という、法的・金銭的に裏付けられた確実な手段を取ったことの意義は、極めて大きいと言えます。
また、動画に映っていた仔馬だけでなく、その「母馬」も一緒に保護されたことも特筆すべき事実です。生後間もない仔馬にとって、母馬と引き離されないことは、今後の精神的な安定や健やかな成長において、最も重要な要素の一つとなります。
2. 紗栄子氏が語る、牧場主の様子と今後
纱栄子氏の投稿によれば、今回の購入にあたり、浜本牧場の牧場主の方とも直接話をされたとのことです。
「浜本牧場の牧場主の方も、今回の件を重く受け止め、謝罪と反省の意を示している」 (紗栄子さん公式Instagramより引用)
これは、昨日仔馬カメラの公式SNSを通じて公開された「牧場主による謝罪文」の内容とも整合性があります。
保護された親子については、現在はまだ浜本牧場にいますが、体調を見て、紗栄子氏が運営するファーム(安全な場所)へ移動する予定とのことです。
紗栄子氏は「残された馬たちのことも心配だが、今は目の前のこの親子を守ることに集中する」と述べ、改めての報告を約束しています。
まとめ:冷静に馬たちの幸せを願おう
今回の仔馬親子を巡る騒動は、SNSでの激しい批判の段階を過ぎ、警察による法的な調査(刑事告発)、当事者による謝罪、そして実績ある有志による「確実な保護(購入)」という、「現実的な解決」という形で収束に向かいそうです。
簡単な行動ではなかったと思います。引退馬支援はされていましたが、競走馬になりうる仔馬の保護は法的にも難しい判断だったと思います。
牧場の警察への刑事告発は継続中ですが、少なくとも問題の親子に関しては、紗栄子さんの迅速な行動により、安全な未来が約束されたと言っても過言ではありません。
私たち一般の競馬ファンや動物を愛する人々は、これ以上の感情的な発信や憶測を控え、公的機関による調査結果を静かに待つこと。
そして何より、保護された親子が、これから穏やかで幸せな日々を過ごせることを、心から願っていくことが求められています。
紗栄子さんInstagramコメント全文
今回私は、拡散されていた動画に映っていた1組の親子馬を、保護を目的として購入いたしました。
皆様と同じ思いで、一刻も早く安全な場所へ移動させたい――
その強い気持ちが、今回の大きな原動力となりました。また、私自身が「購入者」という立場になることでこの親子を引き取るために当該の施設に入ることが可能となり、内部の方々とのコミュニケーションを図ることができました。
あの動画を拝見し、この親子馬だけの問題ではない可能性も感じました。
同様の状況に置かれている馬が他にもいるのではないかと考え、牧場にいる頭数の確認、そして内部の方や当事者の方との接触を図るためにも、命を守るための緊急的な判断として、急ぎこの親子馬の購入を決断いたしました。なお、現時点では確定しておりませんが、私が引き取った母馬は新たに命を宿している可能性もあります。
昨日、私がこの子たちを迎えに行った時に、動画に映っていた当事者の方とお会いすることは叶いませんでした。
しかし、先代のお父様、そして現場で働いていらっしゃるスタッフの方々とお話しする機会をいただきました。その中で、私の顔を見るなり
「ごめんなさい。紗栄子さんのことが好きなのに、こんなことになってしまって申し訳ない。このような形でお会いしたくなかった。」
と、涙を流しながらお話してくださったスタッフの方もいらっしゃいました。映像に映っていた方が現在の経営者である以上、あの行為が「会社として認められているもの」と受け取られてしまう可能性は否定できません。
しかし一方で、牧場で働くすべての方が同じ方法で馬と向き合っているわけではないということも、実際に現場を訪れた立場としてお伝えすべきことだと感じております。
また、競馬や競走馬に関わるすべての方々が、「躾」という名のもとにあのような行為を行っているわけではないという、ごく当たり前の事実についても、改めて知っていただけたらと思っています。
私が経営する @nasufarmvillage には、引退競走馬や乗馬として活躍した後、怪我や加齢によって役目を終えた馬たちが多くやってきます。
もともと私にとっては縁のない世界だと感じていた「競馬」の世界ですが、当牧場に来る馬たちの多くが競走馬として生まれてきた子であること、そしてその命の行き先を決める立場にあるのが馬主の方々であることから、その背景を理解する必要性を感じ、私自身も昨年11月頃から学びを始めました。
正直に申し上げると、それまでの私は、競馬という世界に対して「経済動物」として扱われる側面に強い不安を感じ、近づくことに恐れも抱いていました。
しかし実際に競馬場へ足を運び、トレーニングセンターでの治療施設や厩舎の見学の機会をいただき、さらに生産牧場や中期育成牧場なども訪れる中で、どの現場においても、馬に関わる方々の深い愛情と、日々真摯に向き合い続ける姿勢に触れることができました。
命のはじまりに寄り添い、生産の現場で新たな命を支える方々。
日々馬と向き合い、その一瞬一瞬を支え続ける厩務員の方々。
馬の未来を描き導く調教師の先生方。
馬と心を重ねて走り、その命を守る責任を担うジョッキーの方々。
そして命と真正面から向き合い続ける獣医師の先生方。私が出会った多くの人たちが、それぞれの立場で馬の命と真剣に向き合い、その一頭一頭の馬生に責任を持って関わり続けている姿は、決して表には見えにくいかもしれませんが、確かにそこに存在する尊い営みだと感じています。
実際に私がお会いした多くのホースマンの方々は、口を揃えて「馬のおかげで」と語り、馬に対する感謝と敬意を持って日々向き合っていらっしゃいました。
さらに、引退後の支援や取り組みに対しても深く共感してくださり、「何か力になりたい」とお声がけいただく機会も多くありました。
そして、馬主の中にもさまざまな考え方があることを知りました。
中には、代替可能な存在として捉えられてしまうケースがあることも事実かもしれません。しかしその一方で、引退後の未来にまで責任を持ち続ける覚悟を持ち、一頭一頭の馬生に真摯に向き合い続けている馬主の方々がいらっしゃることも、私は実際に知ることができました。
私のもとにも、余生を当牧場で過ごさせてほしいという馬主の方からのご相談をいただく機会も増えてきました。
私自身も、もっと力をつけ、いずれはそのような想いを持った方々の大切な家族を受け入れられる牧場をつくりたいという、新たな目標もできました。
このように、私がお会いした方々の馬との関わり方や言葉、そして存在そのものが、これまで私が恐れていた競馬の世界に対する見え方を大きく変え、光を与えてくれるものとなりました。
競馬という世界は決して一面的なものではなく、多くのホースマンの方々の献身と努力、そして馬への深い愛情によって支えられているものであるということを、今回の経験を通して強く実感しております。
近年では、競馬界においても引退競走馬への支援や取り組みが進められていると伺っております。
そして今、動物たちに生かされ、その存在によって成り立っている人たち自身が、その命の未来をつなぐための行動を起こし始めていることにも、私は大きな希望を感じています。その動きに世の中の声が重なり、後押しとなることで、1頭でも多くの命が守られる社会へと繋がっていくことを、心から願っています。
今回、私のもとに届いた皆さんの声によって、あの親子は私の家族となりました。
しかし、これで根本的な解決がなされたわけではありません。
あの場所にいるすべての馬をレスキューできたとしても、それだけでは問題の本質的な解決には至らず、また新たに同じような状況に置かれてしまう命が生まれてしまう可能性もあります。
だからこそ大切なのは、一時的な対応だけではなく、それぞれの立場にいる人たちの意識や向き合い方が、少しずつでも変わっていくことだと、私は感じています。
そのために私は、今後も対話を続けながら、関わるすべての人、そして動物たちにとって何が最善なのかを考え続けていきたいと思っています。
今後の動きの中で、私ひとりの力では届かない場面があったときには、皆さんにお力をお借りすることもあるかもしれません。
その際は、どうかお力添えをいただけましたら幸いです。そして今回の出来事をきっかけに、どうか少しだけ周りを見渡してみてください。
この子たちだけでなく、皆さんの身近なところにも、声をあげることのできないまま、不遇な環境で過ごしている命があるかもしれません。
その存在に気づき、関心を持つこと。
そして、できる範囲で行動を起こしてみること。その一つひとつの積み重ねが、未来を変えていく力になると、私は信じています。
今回受け入れた仔馬の名前は「バレンタイン」と名付けました。
2月14日生まれの女の子です。生まれた日そのものが「愛の日」であり、
苦しい環境から皆さんの「愛」によって救われた命。
そしてこれからは、「愛を受けて生きていく存在」であってほしいという願いを込めています。母馬はアールヴヘイムという繁殖牝馬で、バレンタインが初めての子供であり、お腹の中には新たな命を宿している可能性があります。
この子たちはすべて、一昨日、私の家族となりました。お腹の子のこともあり、輸送や今後の馬生についても慎重に考えていく必要がありますが、現在はウイニングスタッド千歳様にて一時的にお預かりいただき、親子で穏やかに過ごしております。
ウイニングスタッド千歳様は、競走馬の生産・育成・調教・管理を行う総合施設で、以前にも見学に伺わせていただいたことのある牧場で、そこで働く方たちの思いや優しさに触れていたことから迷わずに相談させていただきました。
この度、急なお願いにもかかわらず、バレンタインとアールヴヘイム親子を快く受け入れてくださったウイニングスタッド千歳の皆様、
そして今回の保護に際し多大なるお力添えをいただいたチャンピオンズファームの皆様、
さらに親子馬が寂しい思いをしないようにと仲間としてご自身の親子馬を共にウイニングスタッド千歳へ移してくださったオーナー様に、心より感謝申し上げます。一昨日まで、私は自分が競走馬を購入することになるとは想像もしていませんでした。
これまでに、競走馬のオーナーとなり、馬主としてその後の未来をつなぐ活動を通して何かを伝えていくという道も、頭の片隅にあったことはあります。
しかし、命がけで馬と共に走るジョッキーの方々との出会い、そして馬たちに起こり得るさまざまな現実を知る中で、私は自分の大切な家族をレースに送り出すことはできないと感じ、その道を選ぶことはできませんでした。
バレンタインとアールヴヘイム、そしてお腹にいるかもしれない新たな命に、これからどのような未来を歩ませていくのか――
正直なところ、今の私にはまだ明確な答えは出ていません。
私の気持ちだけで言えば、このままNASU FARM VILLAGEで穏やかに、安心して過ごしてもらいたいという想いがあります。
しかし一方で、競走馬として生まれ、この世界に関わってきた多くの方々の想いや覚悟に触れる中で、それだけで良いのだろうかと迷う気持ちもあります。
競走馬として生まれてきたこの子たちの未来を、関わるすべての人たちと共に、私自身がこれからどのように描いていくのか。
どのような選択をしても、きっと葛藤は伴うと思います。
それでも、その歩みを大切にしながら進んでいきたいと思っています。どうかその道のりを、温かく見守っていただけましたら幸いです。
道休紗栄子


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