【大阪杯コラム】武豊の体内時計に震えた日。ジャックドールが逃げ切った2023年大阪杯の「完璧すぎる58秒9」

[PR]を含みます

管理人です。

今週末はいよいよ春の中距離王決定戦、大阪杯ですね。今年も歴史に名を刻むであろう豪華メンバーが集結し、競馬ファンのボルテージも最高潮に達しています。

大阪杯の歴史を振り返ると、G1昇格初年度を制したキタサンブラックや、G2時代のトウカイテイオーなど、数々の名場面が思い浮かびます。

しかし、私が近年で最も「騎手の恐ろしさ」と「競馬の奥深さ」を見せつけられた記憶に残るレースといえば、ジャックドールが悲願のG1初制覇を果たした2023年の大阪杯です。

今回は、鞍上の武豊騎手が刻んだ「芸術的すぎるラップタイム」から、あの日の大阪杯を振り返ってみたいと思います。

逃げ馬の宿命と、託されたレジェンドの手綱

前年の2022年、連勝街道を突き進んで1番人気で大阪杯に挑んだジャックドールでしたが、結果は5着に敗れていました。その後も札幌記念を制したものの、暮れの香港カップではスタートで後手に回り7着と敗退。G1の壁にぶつかっていた個性派の逃げ馬に、2023年の大阪杯で手綱を託されたのが、競馬界のレジェンド・武豊騎手でした。

課題のスタートを完璧に決め、ハナを奪ったジャックドールと武豊騎手。そこから、見る者の鳥肌を立たせるような「魔法の逃げ」が始まります。

狂いなき体内時計。「宣言通り」の58秒9

このレース最大のハイライトは、道中のペース配分、つまり武豊騎手の「体内時計の正確さ」です。

ジャックドールが先頭で通過した前半1000mのタイムは「58秒9」。 レース後の勝利インタビューで、武豊騎手は涼しい顔でこう語りました。

「きょうの馬場状態だと(1000メートル通過)59秒ぐらいで入りたかった」

検量直後のインタビューで正式タイムも判定中の中で出た言葉でした。自身が思い描いた理想のペースとの誤差は、わずか「0秒1」まさに精密機械ばりの正確さです。 さらに驚くべきは後半のラップです。息を入れるところは入れつつ、後半1000mを「58秒5」でまとめ、前半とほぼイーブンペースで駆け抜けたのです。1分57秒4という当時のレースレコードでの決着でした。

もし前半が58秒台前半のハイペースになっていれば最後は失速し、逆に59秒台後半の遅いペースに落としていれば、後続の瞬発力勝負に屈していたでしょう。後続の馬たちに「脚を使わされつつ、追いつけない」という絶望を与える、逃げ馬にとってこれ以上ない完璧なラップを刻んだのです。

記録ずくめの勝利と、名手の矜持

直線に入ってもジャックドールの脚色は衰えず、外から猛追する1番人気スターズオンアースをハナ差でしのぎ切り、見事に1着でゴール板を駆け抜けました。

スタートからゴールまで、すべてが武豊騎手の「計画通り」。 この勝利により、武豊騎手は自身の持つ記録を更新する「JRA史上最年長G1制覇(54歳19日)」を達成し、同時に「JRA・G1通算80勝目」という大偉業を成し遂げました。

「最後は足音が聞こえてヒヤヒヤしたが、何とか頑張ってくれました」と語ったレジェンド。ジャックドールにとっても、自身の能力を120%引き出してくれる最高のエスコートでの悲願達成となりました。

今年の大阪杯では、果たしてどんなドラマが待っているのでしょうか。

ジャックドールと武豊騎手が魅せたような、人馬一体の素晴らしいレースが見られることを期待してやみません。

管理人のコラム
スポンサーリンク
管理人をフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました