【徹底検証】フジモトバイアリースタッドクラファン問題に新展開。誠実な開示と、避けて通れぬ「馬主の責任」への沈黙

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クラウドファンディング開始直後から、競馬ファンや現役馬主、関係者の間で波紋を広げていた「フジモトバイアリースタッド」のプロジェクト。

沈黙を破り、責任者の岩本氏から詳細な現状報告と謝罪、そしてプロジェクトの修正が発表されました。

今回の発表が、これまでの疑念をどこまで晴らし、どこに「整合性の欠如」を残しているのか。5つの項目で深掘りします。

記事最後には今回の声明を全て転載させて頂きます。

1. 「馬主席招待」リターンの削除と規約への抵触

最も批判が集中していた「リターンに馬主席での観戦を含める」という項目が、正式に削除されました。

  • 事案の経緯と判断 これまで「限定1組」として掲載されていた馬主席への招待リターンについて、岩本氏は「過去の事例においてもご案内が叶わなくなる可能性があること」「リターンの性質にそぐわないこと」を理由に削除を決定しました。
  • 問われるガバナンス JRAの規約において、馬主資格を持たない者を馬主エリアへ招待し、対価(支援金)を得る行為は極めてグレー、あるいは明白な規約違反にあたる可能性が高いと以前から指摘されていました。これに対し、「検討と判断が不十分だった」と認めた形です。

2. 資金使途の書き換えと「補填」への沈黙

支援金の行き先について、表現の修正が入りましたが、ここには大きな議論の火種が残っています。

  • 資金使途の変更内容 当初の曖昧な表記から、「2歳〜3歳時に要する活動諸経費」という実態に即した表現へと書き換えられました。クラウドファンディングの仕組み上、受領した資金が牧場側の運営経費に充当されることを認めています。
  • 【最大の問題点】馬主費用の「補填」に対する見解の欠如 多くの現役馬主やファンから挙がっていた懸念は、「馬主が本来負うべきリスク(預託料や育成費)を、所有権を渡さないまま他人の資本で補填する」というスキームそのものの不透明さでした。 今回の発表では、表現こそ「実態に即した形」に直されましたが、「なぜ馬主としての経済的責任を自ら負わず、他人に補填させるのか」という倫理的な問いへの直接的な明言は一切ありませんでした。 これは、競馬界の健全な運営を願う人々との間に、依然として大きな溝を残しています。

3. 競走馬2頭の現状と具体的な育成データ

「馬の安否や状況が見えない」という批判に対し、今回は極めて詳細な数値と動画、そして預託予定先が公開されました。

項目ファイト(鹿毛)イザーニャ(芦毛)
預託予定先美浦・尾形和幸厩舎複数の候補と調整中
入厩時の馬体重463kg423kg
3月末の馬体重455kg437kg
3月末の測尺体高157 胸囲182 菅囲19.5体高154 胸囲179 菅囲20.5
デビュー目標夏の新潟・北海道(芝向き)秋頃のデビュー(ダート向き)
  • 順調な育成過程 現在は「藤原ステーブル」にてハロン18〜20秒のキャンターを消化しており、脚元の不安もなく順調であることが示されました。この「情報の透明化」については、前回の要望に誠実に応えた結果と言えます。

4. 既存ルートの模索と、CFを選択した「日高」への想い

なぜ最初からクラファンだったのか、という点についても初めて具体的経緯が語られました。

  • 一口馬主クラブや知人馬主への打診 昨年末から一口馬主クラブへの提供を模索したものの、2歳というタイミングや予算面で実現しなかったという苦渋の決断が明かされました。また、サラブレッドオークションについては「現役馬のみが対象」という認識違いから選択肢に入れていなかったという、事実上の「リサーチ不足」も認めています。
  • 日高を盛り上げたいという大義 「日高の小さな牧場でも新しい挑戦ができるという勇気を与えたい」という動機が語られましたが、結果として日高全体への批判を招いたことに対し、重い反省の意を示しています。

5. 総評:整合性チェックと今後の注目点

今回の更新を、前回の発表で求められていた内容と照らし合わせると、以下のような評価になります。

  • 整合性が取れた(合格点)の項目
    1. 2頭の具体的な発育状況および測尺の公開。
    2. 不適切なリターン(馬主席)の撤回。
    3. 入厩先厩舎情報の提示。
  • 整合性が取れていない(説明不足)の項目
    1. 馬主としての経済的自立: 維持費を他人の支援金で賄うことに対する、馬主としての倫理的見解の提示。
    2. 所有権と負担の不均衡: 支援者が「ただの応援」に留まり、負担だけを支える構造への批判に対する本質的な解決策。

管理人のひとこと

今回のフジモトバイアリースタッドの報告は、間違いなく「一歩前進」です。

特に馬の具体的な数字が出たことで、イザーニャやファイトが「ただのプロジェクトの道具」ではなく、一頭のサラブレッドとして大切に育てられていることが確認できたのは大きな収穫でした。

しかし、編集長が鋭く指摘された通り、「馬主としての費用補填」という根源的な問題に蓋をしたまま、看板だけを書き換えた点には、今後も厳しい目が注がれるでしょう。

「日高に勇気を与えたい」という言葉を真実にするためには、この2頭がデビューするまで、そしてデビューした後も、一頭の馬に関わる重責を馬主がどう背負い、支援者へどう還元していくのか、言葉ではなく「結果」で示し続ける必要があります。

私たちはこれからも、この2頭の未来が「誠実な物語」として完結するのか、厳しくも温かい目で見守っていきたいと思います。

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今回の声明全文

いつも本プロジェクトを見守っていただき、誠にありがとうございます。
プロジェクト責任者の、フジモトバイアリースタッドの岩本と申します。

プロジェクト公開以来、多くの皆様から温かいご支援とともに、貴重なご意見・ご指摘をいただいております。現在いただいている疑問やご不安に対して、事実と私たちの想いをお伝えさせていただきます。

1. 2頭の現在の詳細について
2頭の具体的な状況をご報告いたします。現在、2頭ともに大きなトラブルなく順調に育成が進んでおり、それぞれデビューに向けた具体的な調整段階に入っています。

■育成状況
2026年2月3日に、日高町・富川の「藤原ステーブル」へ入厩し、現在はデビューに向けてトレーニングを開始しております。脚元の不安や大きなトラブルはなく、調教強度を徐々に上げられている状態です。

■トレーニング内容について
・周回コースにてダク(速歩き):1000m
・キャンター:2000〜3000m (18~20秒/ハロン)
・毎週1日は軽めの運動

今後は 体力の向上に合わせ、坂路調教も取り入れていく予定です。

■馬体重・測尺
<2026年2月3日入厩時> ※ 体高等の計測は未実施
・ファイト: 463kg 

2月24日撮影

・イザーニャ: 423kg

2月24日撮影

<2026年3月末>
・ファイト:455kg     | 体高157 胸囲182 菅囲19.5


・イザーニャ: 437kg | 体高154 胸囲179 菅囲20.5


■今後の見通し:
イザーニャ:父オメガパフューム譲りの力強い走りで、秋頃のデビューを目標に調整していますが、成長度合いを見ながら時期は柔軟に判断していきます。預託先については複数の候補と調整中です。血統背景からダートでのデビューの可能性が高いと予想しております。

ファイト(鹿毛):跳びが綺麗で芝向きの印象です。美浦・尾形和幸厩舎への入厩を前提に調整を進めており、夏の北海道シリーズから新潟開催付近でのデビューを目指しています。


2. リターン「馬主席」の削除について
リターンとして掲載しておりました「※限定1組※【馬主席へペアでご招待】レースを「馬主席」で観戦(芦毛)」「※限定1組※【馬主席へペアでご招待】レースを「馬主席」で観戦(鹿毛)」について、過去の事例においても、ご案内が叶わなくなる可能性があることが分かり、また、リターンの性質にそぐわないとのご指摘もあり、今回該当表現を削除する判断に至りました。


3. 資金使途の記載内容の変更について
支援金受領後の流れを明確に明示できておらず、結果として誤認を招く可能性があったことから、資金使途の記載内容について変更いたしました。

クラウドファンディングの仕組み上、支援金はフジモトバイアリースタッドにて受領後、活動諸経費に充当される形となります。こうした背景を踏まえ、「2歳~3歳時に要する活動諸経費」と実態に即した形へと変更しております。(※システムの都合上、一部反映にお時間がかかる場合がございます)

プロジェクト公開にあたり、説明が不足していた点について深く反省しております。本来であれば、事前の段階で想定し、整理した上で適切にお伝えすべき内容であり、私たちの検討と判断が不十分でした。今後は、透明性を持って必要な情報を丁寧にお伝えするとともに、2頭の成長についても継続的にご報告してまいります。


最後に売却キャンセルという不測の事態を受け、私たちは決して最初からクラウドファンディングを安易に選択したわけではございません。

昨年末から年始にかけ、まずは「一口馬主クラブ」への打診や、知人の馬主様への相談など、競馬界にある既存の売却の道を模索しました。しかし、2歳のこの時期というタイミングや予算等の兼ね合いから、実現には至りませんでした。また、多くご意見をいただいていた「サラブレッドオークション」に関しましては、現役馬を対象としていると認識していたため、選択肢に入れておりませんでした。

そして、クラウドファンディングを選んだのは、この2頭を通して実現したい2つの目的があったからです。

一つ目は、日高を盛り上げたいということです。
私は、日高の出身です。大手牧場の活躍が目立つ今、日高の小さな牧場が新しい挑戦をすることで、日高の牧場関係者に「自分たちにも何か新しいことができる」という僭越ながら勇気を与えたいと考えました。

二つ目は、競走馬への新しい応援の場を作りたい、ということです。
競走馬に興味を持ち始めた方や、これから競馬を好きになっていく方々にも、これを機に、競走馬になる前からより気軽に馬を応援していただけるような場所を作りたいと思い、多くの方にご参加いただけるようにクラウドファンディングという手段を選びました。

しかしながら、本プロジェクトに対するご指摘の中で、結果として日高という地域や関係者の皆様へのご批判にも繋がってしまっていることを、重く受け止めております。日高は、多くのホースマンが心血を注いで馬を育てる誇り高き場所です。本来、この挑戦が日高の価値や可能性を伝えるものであるべきところ、逆の印象を与えてしまった点について、深く反省しております。

いただいたご意見を真摯に受け止め、今後は一つひとつの情報発信と運営の在り方を見直しながら、信頼回復に努めてまいります。

改めまして、これまでご支援いただいている皆様に心より感謝申し上げます。
どうか、2頭の未来を共に見守っていただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

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