2026年6月26日、英国競馬統括機構(BHA)では、クリストフ・スミヨン騎手(ベルギー出身)の「チーム戦術違反」に対する騎乗停止処分への異議申し立て審理が行われています。世界の競馬ファンが固唾をのんで見守る一件です。
事件の経緯——ロイヤルアスコットで何が起きたのか
2026年6月17日、英国最高格式の競馬開催・ロイヤルアスコットで行われたセントジェームズパレスS(G1・芝1マイル)。この一戦でスミヨン騎手はプエルトリコ(Aオブライエン師管理)に騎乗し、意図的に外へ進路を取ったとして問題になりました。
| 騎手 | 騎乗馬 | 厩舎 | 結果 |
|---|---|---|---|
| スミヨン | プエルトリコ | Aオブライエン師 | — |
| — | グスタード | Aオブライエン師 | 2着 |
| — | ボウエコー | — | 1着 |
BHAは「スミヨン騎手がプエルトリコで外に進路を取ることで、同厩舎のグスタードのために前をサポートした」と判断。これを「チーム戦術違反」として8日間の騎乗停止を科しました。
「容認できない」——BHAの声明
「故意に同厩舎の馬を勝たせようとした行為は、公正競走の原則に照らして容認できない。」——BHA
一方、Aオブライエン調教師側はチーム戦術の存在を否定。スミヨン騎手自身も処分を不服として審理を求めました。
争点と今後の影響
- 争点:外への進路取りが「故意の援護」か、通常の騎乗判断か
- 影響:英国G1での複数頭出し厩舎への規制強化につながる可能性
- 類似事例:フランス・アイルランドでも「チーム戦術」をめぐる議論が継続中
6月26日の審理結果は、英国競馬の「チーム戦術」規制の解釈と運用に大きな一石を投じることになりそうです。
管理人のひとこと
スミヨン騎手といえば、私の記憶には2012年のジャパンカップでの圧巻の騎乗が焼き付いています。オルフェーヴルの手綱を握り、芝2400mを伸び伸びと導いた美しさ。世界最高峰の「仕掛け師」と称えられた男が、今や公正競走をめぐる渦中に立たされているのは複雑な思いです。
ルールの厳格化は、競馬の公正性を守る上で必要なことです。同時に、熟練の騎手が長年の経験で身体に刻んできたコンビネーション騎乗と「違反」の境目がどこにあるのか——今後の競馬界全体に問われる命題でもあります。審理の行方を、引き続き注意深く見守りたいと思います。

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