どうも、管理人です。
昨夜の公式コメントを受け、私なりに今回の概要のまとめとドラマファンの方に読んでほしい内容をまとめました。かなり長いですが、お付き合いいただければと思います。
現在、大ヒットドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』でロイヤルイザーニャとロイヤルファイトの幼少期を演じた2歳馬たちが、売却白紙を理由にクラウドファンディングで中央競馬デビューの資金を募っています。
SNSでは「あのドラマの馬が走れなくなるなんて可哀想!」「タッセルのコースで支援しました!」という温かい声が溢れています。ドラマに感動したからこそ、その馬たちを救いたいという純粋な気持ちはとてもよく分かります。出資をして彼らの命運を応援するのは、もちろん個人の自由です。
しかし一方で、このプロジェクトは開始直後から既存の競馬ファンからの猛烈な批判を浴び、大炎上状態となりました。
事態を重く見たフジモトバイアリースタッドの公式Xアカウントは、昨夜(4月9日夜)に「説明不足であったことを深くお詫び申し上げます。近日中に詳細をご説明いたします」と謝罪声明を出すに至っています。
なぜ、夢のあるプロジェクトがこれほどまでに批判されているのか。
長年リアルな競馬を見てきた一個人として、そしてドラマを楽しませてもらった一視聴者として「本当にその支援は、あなたの純粋な気持ちと合っているのか?」と、少し立ち止まって考えてほしいことがあります。
今回は、支援を迷っているドラマファンの方に向けて、そして近日中に詳細を発表するという公式に向けて、少しだけ耳の痛い「競馬の厳しい現実と矛盾」をお話しします。
ドラマファンに知ってほしい「競馬の厳しい現実」
皆様が心を打たれた「日高の雑草がエリートに挑む」という素晴らしい物語。
それは、脚本家が練り上げ、俳優陣が魂を込めて演じ、TBSをはじめとする制作陣が作り上げた「フィクションの芸術」です。
フジモトバイアリースタッドの2歳馬たちは、そのドラマに子役として出演し、素晴らしい演技を見せてくれました。しかし、彼ら自身がドラマのような数奇な運命を背負った名馬になる保証は、現実世界にはどこにもありません。
2歳の4月という「絶望的な遅れ」とタイムオーバーの危険性
現実の中央競馬は、ドラマ以上に過酷です。
中央競馬には、作中に登場した「北稜ファーム」のような超エリート牧場が実在します。
数千万、数億円もする馬たちが、とんでもない最新施設で、生まれたときから膨大なデータとAIによって管理され、英才教育の調教を受けています。早ければ再来月の6月には7000頭による新馬戦(デビュー戦)が始まります。
同世代のライバルたちが育成牧場でバンバン厳しい調教を重ねている中、売却が白紙になり宙に浮いていた今回の2頭は、この2歳の4月という最も大切な時期に、きちんとした育成ルートに乗れていない可能性が高いのです。
そのスタートラインにすら立っていない状況で、いきなり中央競馬に挑むと何が起きるか。
「勝てなくても走ってたらいいじゃん!」とはいきません。
中央競馬には「タイムオーバー」という厳格なルールがあります。1着馬から一定の秒数以上遅れてゴールすると、能力不足とみなされ「数ヶ月間の出走停止処分」を下されます。
さらに、最低でも来年(3歳)の10月頃までに1勝できなければ、未勝利戦のレースがなくなり、事実上の強制引退となります。
現在の状況を客観的に見れば、今回の2頭は「無事に3回レースを走れれば良い方」だと思っています。それぐらい、中央競馬で勝つというのは簡単な話ではないのです。
最低限の「競走馬の基本情報」すら明かされていない異常事態
純粋な気持ちで出資を考えている方に知っていただきたいのが、現在公開されている情報の異常な少なさです。
通常、競馬ファンがお金を出資する際(一口馬主など)に当たり前に提示される情報と、今回のクラウドファンディングで公開されている情報を表で比較してみました。
| 開示が求められる基本情報 | 一口馬主クラブの場合 | 今回のクラファンの場合 |
| 血統(父・母・兄弟の成績) | 全て詳細に公開される | 非公開(ドラマの役名のみ) |
| 馬体写真・馬体重・測尺 | 定期的に最新情報が更新される | 非公開 |
| 歩様・調教の動画 | 動画で動きや気性を確認できる | 非公開 |
| 現在の調教タイム・進捗 | 育成担当者の詳細なコメントあり | 非公開 |
| 預託予定の厩舎(調教師) | 募集時点で決定している | 1頭は未定とのこと |
普通の競馬民からすれば、血統や馬体重、歩様や調教タイムすら明かされず、あまつさえ1頭は厩舎すら決まっていない状況で1000万円を集めるなんて、正気の沙汰ではありません。
何も知らないドラマファンから「ドラマの馬が走りますよ」というパッケージだけで搾取することしか考えていないと思われても仕方がない、極めて不誠実な状態です。
公式が近日中に発表する詳細において、これらのデータが全て開示されるのかが最初の焦点となります。
競馬ファンが指摘する「ビジネスモデルとモラル」の矛盾
さらに、競馬のルールを知る層から怒りの声が上がっているのが、お金の動きとモラルの問題です。
経費はファン持ち、賞金は馬主へ?「感動の搾取」という指摘
通常の競走馬への出資(一口馬主など)であれば、馬の維持費を出資者が払う代わりに、レースで勝てば「賞金」が配当としてファンに還元されます。 しかし今回のクラウドファンディングは、育成費や預託料といった「経費」はドラマファンからの寄付で賄うのに、もし奇跡的にレースで勝った場合の「賞金」は、馬主である牧場代表のものになります。
経営上のリスクだけをファンに負担させ、利益は自分たちで享受する。ドラマファンの純粋な「可哀想」という感情を逆手に取ったビジネスモデルに見えてしまうのが、最大の炎上理由です。
JRA「馬主資格」と資金不足の大きな矛盾
ここで、もう一つ大きな疑問に思ってほしいことがあります。ドラマの作中でも話題になった「馬主になるにはそれ相応の資格が必要」という点です。
中央競馬(JRA)の個人馬主になるには、「1億円以上の資産、かつ過去2年間の所得が2000万円以上」という非常に厳しい経済的条件をクリアしなければなりません。今回の件の牧場代表は、自らが馬主となって走らせると明言しています。つまり、その厳しい条件をクリアするだけの資産と収入があるはずなのです。
それだけの資金力があるにも関わらず、「デビューさせるお金が1000万円足りないから、配当のないクラウドファンディングで出資を募る」というのは、どう考えても矛盾しています。この点について、既存の馬主たちに対しても失礼にあたるという厳しい意見も散見されます。
なぜ「ドラマ出演馬」だけが特別扱い(クラファン)なのか?
そして、個人的に最も説明を求めたい、心の底からの疑問がこれです。
生産牧場を長く経営していれば、過去のセリで買い手がつかなかった馬(主取)や、直前で馬主都合でキャンセルになった馬は、今までに何頭もいたはずです。 では、なぜその過去の馬たちにはクラウドファンディングを行わず、知らんぷりをしてきたのに、今回の2頭にだけ実施したのでしょうか?
「ドラマに出て知名度があるから、クラファンをやればお金が集まると思ったからですよね?」
「そこに明確な理由があるなら、ドラマに出ていなくてもクラファンをして救っていたんですよね?」
これはSNSにあったコメントですが、まさに核心を突いています。純粋な気持ちで出資する人の気持ちを、心の底からどう考えているのか。
公式には、この「なぜこの2頭だけ特別扱いしてファンからお金を集めるのか」という究極の問いに対する、明確で嘘のない回答が求められます。
【結論】その「感動の対価」はどこに還元すべきか?
皆様がお金を出したいと思う原動力は、「あの素晴らしいドラマを作ってくれてありがとう」という感動と感謝の念だと思います。
もしあなたが、ドラマのロイヤルイザーニャたちから貰った感動に「お金」で報いたいと思うのであれば、その感謝は経営リスクをファンに背負わせる生産牧場ではなく、あの名作を生み出した「ドラマの制作陣」に直接還元するべきではないでしょうか。
厳しいことを書いてしまいましたが、馬たちに罪はありません。ただ、ドラマの延長線上の夢を見て数万円を寄付し、結果的にタイムオーバーで馬が走れずに悲しい思いをするファンの方を見たくないのです。
数万円出すなら、本日発売のブルーレイBOXを買いませんか?
もし「支援に迷っている」「1万円〜のコースに寄付しようかな」と考えている方がいたら、管理人から最後にご提案があります。
本日、4月10日。 皆様に最高の感動を与えてくれたドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』のブルーレイBOXとDVD-BOXがついに発売日を迎えました!
クラファンでいつ届くか分からないタッセルを待つよりも、今日発売のブルーレイBOXを買って、いつでもあの名作を振り返れるようにする方が、よっぽど確実です。何より「素晴らしい作品を作ってくれた制作陣への直接的な支援」になります。
出資先は個人の自由です。ですが、大切なあなたの「感動への対価」をどこに使うべきか、公式からの詳細発表を待つ間、今一度冷静に考えてみてくださいね。
▼ ドラマ制作陣へ直接「ありがとう」を届けるならこちらから!
さらに、せっかくなので原作小説へのリンクも載せておきます。 原作者の早見先生は現在、続編も執筆中とのこと!次回以降の素晴らしい作品の制作費用のために、こちらに出資するのも最高のお金の使い方かもしれないですね!
管理人のひとこと
今回は少し熱くなってしまいましたが、競馬という命を扱うギャンブルとスポーツの狭間で、安易な感情論だけで物事が進むことへの危機感から筆を執りました。
公式が「近日中に詳細を説明する」と約束した以上、なぜこの馬だけなのかという理由も、すべて包み隠さずオープンにしてくれると信じています。
それができないのであれば、サラオクに出すか、地方競馬から地道にやり直すのが、馬にとって一番幸せな道ではないでしょうか。
続報が発表され次第、また当ブログで忖度なしの解説を行いたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました!


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