1. 「一生に一度」だから熱くなる
競馬中継を見ていると「クラシック候補」や「クラシックロード」という言葉をよく耳にしますよね。
「普通のG1レースと何が違うの?」 そう思う方も多いかもしれません。
答えを一言で言うなら、
クラシックとは「3歳世代しか出られない、一生に一度だけの特別なレース」のことです。
古馬(4歳以上)になれば、有馬記念や天皇賞には何度でも挑戦できます。 しかし、クラシック競走だけは、どれだけ強くても、翌年やり直すことは絶対にできません。
その「儚さ」こそが、私たちがクラシックに熱狂する理由なのです。
2. 「クラシック」と呼ばれる5つのレース
イギリスの伝統にならい、日本では以下の5つのレースだけを「クラシック競走」と呼びます。
牡馬(ぼば)・牝馬(ひんば)共通の「三冠」
男の子も女の子も出られますが、基本的には男の子(牡馬)が中心となる3つのレースです。それぞれに有名な「格言」があります。
3つのレースとも勝つと「三冠馬」と呼ばれ未来永劫日本競馬界の歴史に名を刻むことになります。
- 皐月賞(さつきしょう)
- 時期:4月 場所:中山競馬場2000m
- 格言:「最も速い馬が勝つ」
- 解説:一番最初のレースということもあり成長が大きく左右します。小回りでトリッキーな中山コースを攻略する器用さとスピードが求められます。
- 日本ダービー(東京優駿)
- 時期:5月 場所:東京競馬場2400m
- 格言:「最も運のある馬が勝つ」
- 解説:勝つと「ダービーホース」「ダービージョッキー」「ダービートレーナー」と言われ、すべてのホースマンが「このレースを勝つため」に馬を育てると言っても過言ではありません。実力はもちろん、当日の体調や枠順など、全てを味方につけた馬だけが勝てる日本競馬最高峰の舞台です。
- 菊花賞(きっかしょう)
- 時期:10月 場所:京都競馬場3000m
- 格言:「最も強い馬が勝つ」
- 解説:全ての出走馬が未体験の3000mという長距離レース。ごまかしが効かない過酷なレースを走り抜く、真のスタミナと精神力が問われます。
歴代三冠馬:100年近い日本競馬の歴史の中で達成したのはわずか8頭です(2026.1時点)
牝馬(女の子)だけの「牝馬クラシック」
こちらは女の子しか出られません。
- 桜花賞(おうかしょう)
- 時期:4月 場所:阪神1600m
- 解説:満開の桜の下を駆け抜ける「桜の女王」決定戦。スピード自慢の才女が集まります。
- オークス(優駿牝馬)
- 時期:5月 場所:東京2400m
- 解説:牝馬版日本ダービーと呼ばれ、桜花賞から一気に距離が伸びます。牝馬路線では2400mというレースはオークスまで準備されておらず全ての出走馬は未体験の距離になるため、スピードだけでなく、スタミナも兼ね備えた「世代最強の女王」が決まります。
3. あれ?「秋華賞」はクラシックじゃないの?
ここが初心者にとって一番の引っかけ問題です!
女の子の三冠レースといえば「桜花賞・オークス・秋華賞」ですよね? これは間違いありません。
しかし、歴史的な定義では、秋華賞(10月)は「クラシック競走」には含まれません。
クラシックレース=三冠レースではないということです。
- クラシック: 古い歴史を持つ上記5つのレースのこと。
- 三冠: 「その世代のNo.1を決める3つのレース」という括りのこと。
基本的には「三冠」という言葉のほうがよく使われるため、特段覚える必要はなくてちょっとややこしいですが、これを知っていると「おっ、詳しいね!」と一目置かれますよ。
牝馬三冠馬:牡馬三冠に比べ少し歴史は浅いですが達成したのはわずか7頭です(2026.1時点)
4. まとめ:若者たちの青春を見届けよう
クラシックは、人間で言えば「甲子園」や「インターハイ」のようなものです。 まだ身体も精神も成長途中の若馬たちが、一生に一度の栄冠を目指してぶつかり合います。
競馬は多くても18頭しか1レースに出れません。毎年7000頭ほどの競走馬が生まれ、デビューしクラシックレースを目指します。そのうち数レースしかないクラシックレースに出るためにはほんの一握りしか出ることが叶いません。
そのほんの一握りの選ばれた18頭に名を連ねることを目標に全てのホースマンは日々馬を育て挑みます。
そこには、大人のレース(古馬G1)とは違った「青春の輝き」と「二度と戻らないドラマ」があります。
今年のクラシック戦線は、1月のシンザン記念などから本格化していきます。
ぜひ、「一生に一度の戦い」に挑む推し馬を見つけて、春まで追いかけてみてください。



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