1. 競走馬のデビューは「すごろく」みたい?
「新馬戦」を走る馬たちは、最初からエリートだったわけではありません。
生まれた瞬間からスタートして、時には風邪を引いたり、時にはゲート試験に落ちて足踏みしたり…。
まるで「すごろく」のような山あり谷ありのドラマを経て、ようやくゴール(デビュー)にたどり着くのです。
まずは、この「サラブレッドすごろく」を見てください。これが彼らの歩んできた道です!

可愛らしく見えますが、実は一つ一つのマスに「大きな試練」が隠されています。 サイコロを振るように、彼らの人生を追ってみましょう!
2. スタート~幼少期:のんびり牧場暮らし
🌾 うまれる(0歳)
毎年約7000頭のサラブレッドが競走馬になるために、春、北海道などの生産牧場で産声を上げます。
生まれて数時間で立ち上がり数日で牧場を駆け回り始めます。
🚑 トラブル発生!?(あそび・病気)
すごろくに「おともだちとけんか」や「かぜをひいてしまった」がありますよね。
これ、実はよくあることなんです。 放牧地で仲間と噛みつき合って怪我をしたり、体調を崩して成長が遅れたり。 順調に進める馬ばかりではない、というのがリアルの厳しさです。
中には競走馬として致命的な怪我や病気をすると次に進むことなく競走馬を断念する馬も多くいます。
3. 中盤戦:アスリートへの覚醒
🔨 セリ・名前が決まる(0-1歳)
ここで大きなイベント! 馬主(オーナー)が決まります。
夏になると、競走馬としての運命を左右する大きなイベントが待っています。
「誰がこの子の持ち主(オーナー)になるか?」が決まるのです。
主に3つのパターンがあります。
- セリ市(オークション):
- 「セレクトセール」などが有名です。会場に馬が登場し、馬主さんたちが「1億円!」「1億5千万!」と競り合います。一番華やかなルートです。
- 庭先取引(にわさきとりひき):
- 牧場と馬主さんが直接話し合って、「この馬、いい馬だから譲ってください」と決めるパターンです。
- クラブ募集(一口馬主):
- 私たちファンが出資して、みんなで愛馬を共有するパターンです。カタログが届いて「どの子にしようかな」と選ぶのはこの時期です。
こうしてオーナーが決まると、その馬の「競走馬としての名前」や、預けられる「厩舎(きゅうしゃ)」が決まっていきます。
🥕 育成牧場・馴致(じゅんち)
ここから「育成牧場」という学校へ移動します。
「はじめて人を乗せる」とありますが、これは馬にとって恐怖体験。『馴致』と言います。
暴れる馬をなだめながら、人間との信頼関係を作っていく大事な時期です。
ここでご飯をたくさん食べて身体を作り上げ、人が指示をしたらスパートを掛けるなど本当に学校のような環境で過ごしていきます。
4. 終盤戦:最大の難関「ゲート試験」
🏫 トレセンに移る(2歳・春~)
いよいよプロの現場、トレセンに入厩(にゅうきゅう)します。
育成牧場の進み具合で入厩する時期はまちまちです。2歳6月の新馬戦に間に合う子もいれば、3歳になっても育成牧場で育てられている子もいます。
そして「お兄さん馬かっこいい」と憧れている場合じゃありません。すぐに厳しい試験が待っています。
🚧 運命の分かれ道「ゲート試験」
すごろくの最後の難関を見てください。
- なんと合格 ➡ 4すすむ(デビューへ!)
- あばれて失敗 ➡ 1かいやすみ(やり直し…)
ここが一番リアルです! 狭いゲートを怖がって暴れてしまい、試験に落ちる馬はたくさんいます。 落ちればまた練習の日々。「1回休み」どころか、デビューが数ヶ月遅れることもザラにあります。
5. ゴール:デビューおめでとう!
数々の「1回休み」や「1戻る」を乗り越えて、ようやくたどり着いたのが「ゴール(新馬戦)」です。
数多くの馬がレースで走っていますが、あの競走馬は全てこの難関を潜り抜けてデビューをしています。
当然全ての馬がデビュー出来るわけでもありません。産まれたけど疾患がある子。セリで馬主が決まらなかった子。
有名なのはセリで歴代最高額6億円の値がつき馬主が決まった後、牧場で雷に驚き怪我をしてデビュー出来なかった子もいます。
順調に産まれ、育ち、馬主が決まり、デビュー出来るだけで本当に凄いことです。
今週末、競馬場でデビューする馬を見たら、このすごろくを思い出してください。 「あの子は、風邪もひかず順調に来たのかな?」 「もしかしたら、ゲート試験で何度も『1回休み』をして、やっとここに立てたのかな?」
そう想像するだけで、ただの新馬戦が「ドラマ」に変わるはずです。



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